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閑話3side山瀬にしおりをはさみました!
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閑話3side山瀬
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麗の治療を終えて獅琉の家から出た山瀬は駐車場である人物を探していた。
「んー、どこかな~」
うろうろと歩いていると誰かが話している声が聞こえてきた。
「...った...ああ、......んで?...」
「おっ、はっけーん!」
山瀬の視線の先にいるのは獅琉の右腕である柚木康平。
電話で誰かと話しているらしく、柚木が話し終わってからゆっくりと近づいた。
「ゆーずーくん?」
ばっと振り向いた彼は山瀬の顔を見て安心したように肩を落とした。
「なんだ、山瀬さ...あ、麗さんどうでした?」
「なんだって酷いなぁ~...麗くんは今獅琉が見てるから大丈夫だよ~疲れて寝ちゃってるだけだから」
「そっか...よかった...」
少し頬を緩めた柚木に「かわいいなぁ」なんて思いながら今度は山瀬が質問する。
「うんうん~。ゆずくんいま誰と話してたの?」
「あー...喜川隼の別荘に向かわせた奴等から今の状況を聞いてました」
「ふぅん...今、どうなってるの?」
「喜川隼は...逃げたらしいです。いや、逃げたというか、その場にはもういない、と。若にやられたんだから...相当重傷な筈なのに」
苦々しげにそう言う柚木の頭を撫でてやる山瀬。
「そんな顔しないの~。麗くんは帰って来たんだしとりあえずは良かったでしょう?」
「...はい」
まぁ、喜川隼がまた何かして来る可能性は0ではないけど。
今回のアイツの行動は不可解なところが多すぎる。
獅琉への私怨なら、もう少し麗くんを使ってこっちに接触してきた筈だし。
麗くんに外傷が少ないのも不思議だ。
まるで...麗くん自体が目的だったみたい...
でもそうだとすると麗くんと何の接点もない喜川隼が元々麗くんの存在を知っていた事になる...
でもどうして...一体どこで...
黙って考え込んでしまった山瀬を不思議そうに柚木が覗き込む。
「山瀬さん...?難しい顔してどうしたんですか?」
柚木の大きな目は少し不安そうに揺れている。
「ううん...何でもないよ」
今からそんなことを気にしていても仕方ないか、と山瀬は気持ちを切り替えた。
「ゆずくん~!心配してくれたの?僕と結婚しよう?」
「...はぁ...」
「何その溜息?恋の溜息?」
「山瀬さんて、黙ってたらそれなりにかっこいいのに...」
「えっ何それ照れる!」
「別に褒めてないですよ」
「ふふ~もしゆずくんが拐われたら僕が助けに行ってあげるからね~」
「会話が上手く成り立たないんですけど」
冷めた目で見つめてくる柚木に山瀬はヘラヘラと笑いながら
『この恋が叶わなくても、ゆずくんの幸せだけは何があっても守るよ』
と誓っていた。
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