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閑話6-8にしおりをはさみました!
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閑話6-8
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結局柚木はそのまま翌日の朝まで眠っていた。
よっぽど疲れが溜まっていたんだろう、と山瀬は柚木を気にしながら過ごしていた。
朝様子を見に行くと、山瀬の気配を感じたのか目が覚めてしまったようだ。心配していた熱も上がることなく、思っていたよりもすっきりとした顔をしている。
「ゆずくん、おはよう。ごめんね~起こしちゃった?」
「...ん...、やませさん...?」
「そうだよ~ここ、僕の部屋だけど覚えてる?」
「...なんと、なく...」
ぼうっと山瀬の質問に答える柚木。
寝起きだとこんなにぼんやりしてるんだ~かわいいなぁ...
「気分はどう?」
「げんき、です...」
「そう?ならよかった。何か食べれそう?一応お粥なら作っておいたんだけど」
「おかゆ...?食べたいです...て、ゆうか今何時ですか?」
「昼の10時くらいだよ~よく寝てたね~」
「えっ!!」
いきなりガバッと起き上がった柚木を「こら」と窘める。
「いきなり起き上がらないの。今日もゆずくんお仕事はお休みだから」
「そんな...」
「だぁーめ。獅琉だって元気になるまで出てくるなって言ってたでしょ?」
「...そう、ですか...」
「うんうん、僕とゆっくり過ごそうね?」
「え?俺、帰りますよ。もう割と元気なので...」
「えっ?」
何でも無いことのように言ってのける柚木に山瀬は焦る。
「帰るってどうして!?」
「別に家で安静にしてるんで心配いらないですよ。俺も反省しました、もう無理はしません。あ、この服もちゃんと洗って返しますね」
ぐっと伸びをしてベッドから足を下ろす柚木に思わず詰め寄る。
「ちょっと待って!昨日の甘い空気はどこに行ったの...!まさか...覚えてないなんて、言わないよね...っ?」
「まさか...ちゃんと覚えてますよ?」
ベッドに腰掛けたまま、山瀬の手を取り指先にキスをする柚木を見て山瀬の思考が止まる。
「最後まで責任とって愛してくださいね?
......なんて、冗談。いつも振り回されてるお返しです!ふふ、吃驚しました?」
妖艶な雰囲気から一転して悪戯っぽく笑った柚木に山瀬は頭を抱えてしゃがみこむ。
「も~...っ...ほんとに、心臓に悪い...っ」
「...?なんですか?...うわっ」
山瀬の顔を覗き込んできた柚木の腕をぐっと引き、ベッドから落ちてきた自分より少し小さな体を腕の中に抱き込んだ。
「やられっぱなしは性に合わないからね。大人をからかうものじゃないよ?今日は絶対帰さないから、覚悟しておいて」
「...っ、な、大人って...俺もう30超えてますよっ!」
「ん~ゆずくんいい匂い~」
首筋に鼻を埋めてくんくんと匂いを嗅ぐと腕の中にいる柚木が暴れる。
「人の話を聞いてください!」
「ちょっと~暴れないでよ~」
「...昨日はかっこいいと思ったのに...!!」
「え~照れちゃうよ~」
「...ハァ、...なんか山瀬さんと居たら男同士だから、とか年齢がとかいろいろ悩んでたことがどうでもよくなります...」
「え、僕のことで悩んでたの?」
「...あ。いや!嘘です!今の無し!」
「ふ~ん?そうなんだぁ?別に悩む必要なんてないのに~僕セックスも上手いよ?」
「...ばっっかじゃないんですか!?」
弱ってるゆずくんも可愛いけど、やっぱりこうやって元気で少しツンツンしてるゆずくんが好きだなぁ~
やっと僕のものになってくれたね、ゆずくん。
「好きだよ、ゆずくん」
耳元でそっと囁くと耳まで真っ赤になった柚木が「ばか」と呟き、山瀬の背中に腕を回した。
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