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光の先に見たもの 5にしおりをはさみました!
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光の先に見たもの 5
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あんな綺麗な人なら目立つし噂だって聞くはずだ。
だがそれさえない。
手掛かりは学校指定の上履き。
この学校は上履きに入っているラインによって学年を区別できる。
あの人の色は櫻川と同じオレンジだった。
だったら自分と同じ1年のはず。
そう思い全てのクラスを確認した。
それでも見つけることができなかったのだ。
会ったのはほんの10分程度。
それなのに何故、もう会えないと思うだけでこんなにも悲しい気持ちになるのだろう。
『うん、やっぱり綺麗な顔してる。隠してるなんてもったいないよ』
そんな時、あの人の言葉を思い出した。
その言葉が特別に聞こえた瞬間。
あの人に見合うような人間になりたい。
あの人に近づきたい。
櫻川は今まで目立たないようにと伸ばし放題にしていた髪にハサミを入れた。
前髪も目が見えるように眉毛の辺りまで切り、後ろ髪はトリートメントで艶出しに努めた。
すると現れたのは日本人形のような美貌。
鏡に映る自分を見て、櫻川は自信を取り戻しつつあった。
そして今度は性格を変えたいと思うようになり、好きでもない会長の親衛隊に入った。
するとその容姿から櫻川は一気に幹部となり、隊の中心的存在となった。
その頃から様々な情報が櫻川の耳に届くようになった。
その中で1つ気になることがあった。
隔離校舎に不良の中に1人だけ平凡が混じっているというのだ。
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