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肆にしおりをはさみました!
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肆
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さっき、病院から電話あった。
「容態が急変して、もう助からないかもしれません」
なんでそんなに冷静なんだよ。
他人だから、別に死のうがなにしようが関係無い。
とでも思ってるわけ?
僕は、この時医師に少しの怒りを覚えた。
*
昨日も開いたドアを、今日は焦りと不安の気持ちで開く。
「ひぃくん…?」
ひぃくんのベッドの周りを、たくさんの看護師がせわしなく動いている。
「外でお待ちください!」
看護師に背中を押された。
「げほっ!」
びちゃっ。
後ろから、何かが吐き出される音がした。
「もうダメかもな…」という医師の声も聞こえる。
その声を聞き、僕は決めた。
ベッドに向かって歩き出す。
「ちょ、出てってください!」
看護師が、僕を無理矢理廊下へ出そうと腕を引っ張る。
僕は掴む手を振りほどき、ひぃくんの手を握った。
ひぃくんの口の周りには、さっき吐いた血がベットリ付いていて、苦しそうに息をしている。
「もう、いいじゃないですか…。ひぃくんは、十分頑張りましたよ…。きっとひぃくんも、こんなことをしてまで生き延びたいとは思ってないハズです…。ひぃくん、他人に迷惑をかけることを嫌がるので…」
「……」
その場にいた医師、看護師が黙り混んだ。
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