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伍にしおりをはさみました!
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伍
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ピー……。
静寂の中、鳴り響く音。
心臓が止まったことを知らせる音。
ひぃくんが、死んだ音。
ひぃくんが、この世からいなくなった、音…。
「14時22分、飯田陽茄汰さんの死亡を確認」
医師と看護師が一礼し、病室を出て行く。
病室には僕とひぃくん、2人だけになった。
「ひぃくんってホント、
優しいよね…。
あの時、
子供を助けてなかったら
ひぃくんは死なずに済んだんだよ?
ふふ、ひぃくんは、
目の前で困ってる人を
見て見ぬふりをするの、
嫌なんだもんね…。
でもさ、
まさか自分が死ぬとは
思ってなかったでしょ?
はぁ…。
もっともっと、
ひぃくんと一緒にいたかったな…」
悔やんだって、ひぃくんが生き返るワケじゃないのは百も承知。
だから、精一杯の感謝の気持ちを込めて…。
「ひぃくん、今までありがとう」
そう言って、僕はひぃくんの唇と自分の唇を重ねた。
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