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マンションにしおりをはさみました!
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マンション
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予想通り、小さな庭園の奥にマンションの入り口があって
優也さんの部屋は最上階のようだった。
自分の不甲斐なさにいたたまれないまま顔もあげられない。
抱えるように連れられて、エレベーターから降ろされるとホテルのような絨毯が敷かれた廊下が続く。
カードのような物で解錠して中に通される。
段差のない大理石の玄関。
天井が高い。あんな高い所に埋まっている電球はどうやって変えるんだろう。
両側に2つ、突き当たりに1つ扉があって、優也さんは突き当たりの扉を開いて抱えていた僕をソファーに座るように促す。
目の前には大きなテレビ。僕の部屋の何倍もあろうという大きさ。
向こう側にある扉は寝室だろうか。
足元には毛足の長いラグが敷かれていて踏みしめていいのか悩む。
ソファーから向かって右奥はカウンターキッチンになっているようで、コンロと大きな冷蔵庫が見える。カウンターの前でコーヒーメーカーの電源を入れた優也さんが
「コーヒーでいいか?」
と聞くので、いらないとは言えずに
「はい」
と返事をした。
他人の部屋に入るのは初めてで、物珍しくてつい、きょろきょろしてしまう。
光を最大限に取り入れられそうな全面が窓になっているバルコニー。
その半分にはブラインドが閉められて、鏡面仕上げの黒いパソコン机にデスクトップのパソコンがのせてある。
背もたれがとても長い椅子にのっているクッションは、触らなくても座り心地のいい物だろうと想像させる厚みのある物。ここでも仕事をするんだろうか。
あの長い指でキーボードをたたき、あの大きな身長を背もたれに預けて。
何もかもが生活感の違いを思い知らせる。
空間を持て余しているように広い部屋。
どれもこれも、手の届かない値段だとわかる家具、使った事もないような家電。
何でも持っている人っているんだなぁ。
やっぱり人間は平等なんかじゃない。
僕と優也さんが違う人種なのはわかっていたけど、きっと知れば知る程みじめになるんだろう。
どうしてここについてきてしまったんだろう。
あまりの違いに悲しい気持ちになってきた。
「さてと」
いいにおいのするコーヒーを手に、優也さんが隣にどっかり座り込む。
差し出されたマグカップを覗き込むと黒い液体に醜い自分が映し出されて目をそらす。
「なんでだ?」
なんでって、何が?ひょっとしてさっきの?
話したくはないし、こんなに恵まれた人にはきっと理解してもらえない。
それどころかつまみだされかねない。
そもそもこの場所にいること事態が何かの間違いなんだから。
足元を眺めて考える。どう答えたら嫌われないのか。と
「何がそんなに気に入らない?」
意味がわからなくて優也さんをみて首を傾ける。
苦笑いをした優也さんが僕をまっすぐみて子供に話しかけるように問いかける
「何にそんなに怯えてるんだ?これをつけた相手は今も身近にいるのか?」
鎖骨あたりを指でさす。
やっぱり、ばっちり見えてましたよね。
他人に嫌悪感をもたれないようにこれを説明するのは難しい。
だから誰にも話した事も見せる事もなく過ごしていたものなんだし。
あんなに近くに顔があったんだから見えていたのも当然といえば当然か。
気まずさに、どんな顔をしたらいいのかわからず、その指先を見つめる。
痛みは全くない。
もう10年以上昔につけられた、たばこの痕。
両側の鎖骨に沿う形でいくつもつけられた火傷。
僕が通常のヒトじゃない証みたいなものだ。
痛みは無くても、引きつった皮膚。盛り上がったまま元に戻る事の無い形。醜い物の証。
説明なんて到底できない。
これを説明するのは、僕がヒトじゃない事を暴露するって事だ。
これがあるから、真夏でもボタンは外さず、手持ちの服も襟のつまった物ばかりだ。
鎖骨に伸ばされた手が、汚いキズにあたらないようににぎりしめて
「その人は、僕の近くにはもういません。一生会うつもりはありません。汚い物をお見せしてすみませんでした」
声を出したら少し震えてしまったけど、何とかそう言えた。
これ以上この部屋にいるのはきっとよくない。本能がそう告げる。
死ぬまで誰にも話さないで忘れて過ごそうと決めている事が掘り返されようとしてる。
そんな危険な予感がする。そしてそれが知られたらこの夢は覚める。思い知るんだろうな。
自分がヒトじゃないって。
「そうじゃない。追いつめるつもりで聞いたんじゃないんだ。」
ため息のまじった声が、困ったように答える。
僕だって、困らせるつもりはないし、これ以上醜い傷を知った人の近くにいるのは申し訳ない。
ほらやっぱり。
今度とお化けは出る事はない。
この手を離して帰るだけ。
僕はずっと一人で生きていくんだよ。いつか息をしなくてもよくなるまで。
上京してからずっと一人だったし、これからだってそれは変わらない。
しっかりしないと。
少しだけ血の気が引いた気がする。震え出す前に、立ち上がって帰ろう。
夢はただの夢だよ。
いい夢も、悪い夢も、全部。全部。
それがわかるくらいに成長しているはずだけどね。
「勘弁してくれ。そんな顔されたらどうしたらいいかわからなくなる。」
立ち上がる寸前で抱きしめられた。
「泣きたいなら、泣いてくれよ。どうして欲しいか言ってくれ」
僕、そんなひどい顔してる?
何で、どうして、優也さんが苦しむの?
わからない。
ここから逃げないと。
早く一人に戻らないと。
冷静になってこの夢から早く醒めないと。この優しい人を早く現実世界に戻してあげないと。
「僕に、関わらないでください。優也さんに迷惑がかかりますから」
関わらなければ、僕が生きていても優也さんの迷惑にはならないでしょう?
そう言うと、僕はさらに強く抱きしめられて
「無理だ。」
かすれた声が耳元で聞こえた。
車で噛み付かれた首筋にまた激しい痛みが襲う。
さっきと同じ箇所を再び噛まれたのだ。容赦なく。
「いたっ。」
首筋に気を取られた隙に、両手を頭上で一括りにして片手で掴まれる。
片手で器用にシャツのボタンが外されて上半身があらわにされる。
「いやだ、優也さん。やめてください」
片手で掴まれていた両手をはだけさせたシャツで縛るように固定されて、僕は毛足の長いラグに押し倒された。両足で僕をまたいでさらに動けなくされる。
明るい日差しが眩しいほど入る部屋で、全てが太陽の光の中にさらされる。
鎖骨の下を奇妙に並んだ火傷、脇腹にはナイフできられたような古い切り傷が何本も入っている。
それを苦い表情で眺めた優也さんは、触れるようなキスを落としてきた。
唯一動かせる足をバタバタさせて蹴り上げてやろうとしても、上半身をぴったり抱きしめる背中には届かなくて。精一杯の抵抗もこの体格差ではまるで意味がない。
汚い傷口を他人が目にした時の衝撃を予想した事がなかった訳じゃない。
驚かれるだろう、引かれるだろう。
気持ち悪いだろう。
そう、分かっていて誰とも触れ合わないつもりでいた。どのみち誰とも分かり合えない。
コレハ、バツナンダヨ
そう。これも、僕が生まれたことへの罰かもしれない。
拘束された事と、これまで避けてきた他人との接触、傷口を人目にさらされた気まずさで頭の中が真っ白で。
もしかしたらこれはただ物珍しいから見られているだけだろうか。変わった生物を見る。動物園やサーカスと同じ好奇心。そうだとしたらそんなに抵抗する事は無い。
どうせもうこの夢は覚めたのと同じ。
そんなふとした慣れきったあきらめの考えから、抵抗の力を緩める。
でも次の瞬間それは甘い考えだったと身にしみて分かった。
体の線を確かめるように、その手が動き出したのだ。
助けてくれた人とはいえ、他人の体温。
体を這う感覚。
無理。限界、だ。
パニックが襲ってくる。
落ちていきたくない、そっち側の恐怖に包まれたくない。
戻りたくない。あの感情に包まれたくない。
でももう遅いのか。
手足が冷たくて重い。
意識が遠ざかる。
遠い記憶を呼び起こす。
「…ごめんなさい、に、いさん、ごめんなさい。もう許してください。」
何も見えない。
真っ暗闇と底の見えない罪悪感。
生まれてきてごめんなさい
存在が消せればいいのに。
消えてしまいたい。
何もかも、僕がいるせい。
光が遠ざかる。
暗い、寒い、もう生きていたくない。
こんな世界に存在していないといけない理由がわからない。
ギリリリっ
強い痛みで消えそうだった意識が引き上げられる。
ゆるゆると視線をあげると眩しい光。
「おい、しっかりしろ、息をするんだ」
両肩を大きな手で強く掴まれて、口を押し開けて長い指が入ってきて、体に酸素が取り込まれた事がわかる。
奥歯を噛み締めて、目をつり上げた顔が見える。
ああ、この人は怒っているんだな。
口に入れられた指を無意識に舐める。
歯をたてたら気を失うほど殴られるのを知ってるから。
怒らないで、怒鳴らないで。大人しくしているから。
心臓がきゅうっと縮む。そのままなくなってしまえばいい。
「ごめんなさい、ごめんなさい」
唾液と一緒に溢れて零れる
舐め続けようとする指がスッと抜かれ、それを追って舌を外にだす。
その舌は、相手の口に入れられて吸い付かれて、ゆっくりと僕の口の中に戻される。
優しく、柔らかく。
「愁、よく聞いてこっちをちゃんと見るんだ。俺は誰だ?」
耳元で声がする。
顎を持ち上げられて
綺麗な人が怒っている顔は壮絶に綺麗だ。
ぼんやりそう思う。
思ってからようやく、ハッとした。
アノヒト、じゃない。
「愁、ちゃんと言うんだ。俺は誰だ?」
肩を揺さぶられる
「ゆ、うやさん。」
安心したように息を吐き、骨がきしむ程強く抱きしめられる。
「い、いたいです」
なんとかそう呟くと、優也さんは体を離して僕に微笑みかけた。
鮮やかな微笑み。周りの風景に色がつく。
肩が痛いのも忘れて見とれてしまうほど。
「お前、あぶないやつだな。」
とその薄い唇が言う。意味がわからなくて。でもその声を聞いていたくて。
まさかあの暗闇から引き上げられると思っていなかった。
届くと思っていなかった光。
すがりついてみたい体温。
「優也さん、優也さん」
その体に触れたくて飛び込んだ胸は広くて暖かくて、耳を寄せると心臓の音がした。
「愁、俺のものになれ。」
低くかすれるように甘い声。
さっきまで止まっていたみたいな心臓がどきん、と鳴った。酔っていた事を急に思い出す。
腕を固められたままなのに、体がふわっと浮いたような、おかしな気分。
返事をする間もなく、深い口付けが襲う。
歯列をなぞって息もできないくらいの強さでねじ込まれる。その舌は奥まで滑り込んできて、掴まれた肩がジンジンするするのも忘れる。
痛みより体を駆けめぐる感覚に連れていかれそうになって言葉の意味も考えられない。
「ちょっ、…ゆ、うやさ、」
きれぎれの息をしながら再び抵抗を試みる。
合間にみえる黒い瞳に熱っぽく見つめられている事に気がついて、体が熱くなった気がした。
優也さんの右手が脇腹をなぞる。
「っ…待って、まって」
その目で見ないで。その綺麗な指で触らないで。
お願いだから。
舌を捕まえてられて酸素を求めて開く喉の方まで侵入して舐めあげられ、軽やかに動き回るそれに翻弄される。
脇腹からへそを撫でられてくすぐったいのと何をされるかわからない恐怖心に肌が粟立つ。
留まる事を知らないその指が、剥き出しになっている胸をさすり、突起をつかんだ。
握り潰すように。
「っ、いたっ」
離された唇から大きく息を吸った瞬間
熱い何かが乳首に触れる。
ガリっ
「ひ、ひぃーっ」
乳首を千切ろうとでもいうのか、噛みつかれた事で驚いて目を開けてみると、血がにじんだそこに息をふきかけ、口に含もうとする優也さんと目があった。
「や、やめて」
言い終わらない内に、ねっとりとなぶられ、口の中で転がされる。
体に電気が走ったみたいな衝撃。
「んっ…ふうっ…」
痛みでジリジリ痛むのと、それを和らげるような熱が交互にやってきて、息を吸う度に喉の奥から声が漏れそうになって唇をかむ。
反応したくないのに脇腹がぴくぴくしているのが自分でもわかる。
反対側の突起を指でつまみながら、その熱い舌は首筋を嘗め上げる。
「っ…やめ、てください」
まるで聞こえないかのように優也さんは動きをとめない。
首筋を伝い耳許でささやく。
「お前は、俺のものになるんだ」
オレのもの?
耳から伝わる音と熱がダイレクトに体の反応になる。
なでられ、嘗め回されて、甘い感覚に抵抗する力さえだせない。
抗わないといけないと思いながらも体は素直に反応を示す。
まさか。そんなはず…
戸惑いに気付いたのか、にやりと笑った優也さんがベルトを外してその部分に触る。
逃げたくてもどこにも逃げられない。
腰を抱えられてするりとパンツごと脱がされてしまい、真上を向いた自分の分身までもが光にさらされて恥ずかしさにぎゅっと目をつぶる。
優也さんの手が、ゆるゆると上下にさする。
先端から透明な液体がながれていてそれをまぶして滑りがよくなったのか、さする速度があがる。
自分で触る事もほとんどなかったそれは、軽い刺激であっという間に寸前まで到達してしまう。
「や、…っ、やめっ」
そこに手を添えたまま、優也さんは耳朶を噛む
「ずいぶん感度がいいんだな」
ニヤリと笑いかけながら、先端の部分に爪をたてる
「ひゃあっ」
予想していなかった刺激に悲鳴があがる。
ぐりぐり回転させながら、水音をたてる。
「う、…ふっ…ん」
情けない声が上がってしまいそうで唇を噛む。
噛んでいる下唇に優也さんが噛みつく。
痛みに驚いて体が跳ねる。
「このまま噛み切られたい?」
怖い事を言う。
「い、や」
噛まれたままそう言うと鼻をならすように笑って、唇に立てた牙を抜く。
「噛み切られるのが嫌だったら舌だして」
恐る恐る差し出すとすぐに吸い付かれる。
滑らかに絡めとられ、すくい上げるように唇まで舐める。
「愁、こっち向け。俺は誰?」
「ん、ん、…優也さん」
舐められながら、笑顔の瞳を覗く。
光ってる。会社で見かけた冷たい光が。
綺麗すぎて怖い。
「目を逸らすなよ。愁はすぐに、俺が誰だかわからなくなるみたいだから、ちゃんと見てろ」
ゆらゆら、真っ黒い瞳の光が揺れる。
「いいコだ。逸らすなよ」
鼻を合わせて微笑みながら唇があわされる。
こんなに間近で人を見つめた事も、見つめられた事もない。
息が、心臓が止まりそう。
「ふぅん、は、あぁ、あっ」
優也さんの目に映っているのは、僕?
下半身が熱を持ち続けて、じんじんする。
どうしたらいいのかわからずに腰を少し上げると、のしかかった優也さんの太ももにあたる。
熱が少し薄れる。
ぼんやりとこすりつけると、突然体が離されて
「熱いな」
そう言いながら表面を軽く撫であげ、その指に僕から出る体液をたっぷりまぶして、そのまま自分の口に含んだ。
「ちょっ、やだっ、」
意味がわかって顔がひきつる。
見せつけるようにゆっくり舌を這わせて、ドロドロにした指を今度は下に下げる。
膝の裏から片足を持ち上げられたと同時に、後孔に触られる。
「ゆ、ゆうやさんっ、やめてっ、」
俺のものって、そういう意味かっ。
「目を逸らすな。俺を見てろ。」
そんな理不尽なっ。
じっとこちらを見続ける優也さんに視線を戻すと、濡れた唇が反射して眩しい。
「ひっー」
指が入口をかすめて、喉がきゅっと鳴る。
いつの間に取り出したのか、ぬるぬるした何かをそこに伸ばすような手付きで塗り広げ、くるくると指先をまわしながらゆっくり、でも確実な意志をもってその指先を埋めこんでくる。
「うう、っ」
異物感が何かを呼び起こしそうになる。
何かいやな、何か。
でもそれも一瞬。優也さんを見たらどこかに飛んでいった。
躊躇いもなく奥に進んでくる指も、突き刺さるような視線も、綺麗すぎるその顔が恐ろしすぎて何もわからなくなりそうで。
目線を離せないまま、中を擦られ、さっき噛まれた乳首をちろちろ舐められていて
とんでもない声が出そうになる。
「っっ…」
広げるようにリズムをつけて内側の壁をこする指。
一番奥で動きをとめた指がずるりと入り口近くまで抜かれかけ、またゆるゆると中に入ってくる。
「っ、ふっ…ふ、う」
目も離せず、声も出せずにいる僕をさらに覗きこんで確かめるように話しかける。
「愁、俺の名前呼んで」
「ゆう、や、さん」
黒い光を見て、名前を呼んだらいっそう、中の感覚が鋭くなった気がした。
中であの長くてきれいな指が動いている、と改めて思うだけで恥ずかしさで体に力がはいる。
指の形がわかる程しめあげてしまう。
「そうだ、俺が見えているな。もう一本いれるぞ。」
微笑みかけられて首を横に振っていると、ずくっと中が広げられる。
揃えられた指がさっきより速度をあげて奥へすすむ。
「や、あ、ああっ。そ、んな」
背筋に雷が走ってる。びりびり、びりびり上ってくる
たまらずに腰を揺らす。
「そこっ、だ、め、だめぇーっ」
触られると体がびりびりする場所がある事に気付く。下半身だけが別の生き物になったように熱くてじっとしていられない。腰が浮いてしまう。とても視点を一定にできない。
ぐいっと中に入る指が増やされたのがわかる
「や、やだ、あつい…っ、いやっ」
ふっと鼻先で笑った優也さんが子供をなだめるような口調で僕を見つめながら
「や、じゃないだろう?こんなに絡み付いてくる、ほら、ここ」
ずくりとさっきの場所を今度は3本の指で交互にこすられる
「ああっ…そ、こ、だめ、だめっ」
「どうだめなんだ?愁のここは」
言いながらその場所をくるくる指を回転させながら撫でる。
完全に立ち上がった分身から垂れ続ける体液がしたたる程でそれが足の間を流れて後孔の入り口に伝わる。
ぐちゅり、ぐちゅっぐちゅっ
優也さんの指の隙間から卑猥な音が聞こえる。
「なんか、へんっ、変になるっ。あ、あ、ああっ。あつ、い」
何かもう、何も考えられない。入り口は圧迫されて痛いはずなのに、体は熱を放出させたくて腰をゆらして指をもっと奥へと誘うように動いてしまう。
「あ、ん、あっ、あっ…、いやあぁぁっ…優也、さ、ん。」
訳がわからなくなって、涙まで出てきて視界が霞む。夢中で名前を呼ぶと少し気持ちが軽くなる。
息を飲む気配がして、指が一気に引き抜かれる
内臓が引き出されるような感覚までも刺激になる
いつの間に外したのか優也さんのシャツはボタンが全部外れていて、そこから見える引き締まった腹筋とチャックが下げられたズボンから大きな塊が見える。
空気がぎゅっと圧縮されたような気がした。
「優也、さ、ん」
指を抜かれた所にその熱い塊があてられる。
ずぶっ、入り口に自身のぬめりを足しながら、押し入ってくる。
「っ、う…ひぃっ、あ、あつい」
「いたいか?」
優しい声、首を横にふる。
ゆっくり、ゆっくり中に押し入ってくる熱い塊。圧倒的な存在感を刻む大きさ。
少しずつ少しずつ、圧迫感が広がる。じわじわ僕の中で混ざる体液。
呼吸をあわせながら、唇をついばみ時間をかけて
内壁をひっかきながらようやく一番奥まで到達する。
「体で覚えろ。これが俺の形だ。」
「あ、あああっ。…優也、さん、お願、い、抱きしめ、させて。」
腕をとめられたままで、お腹のなかがパンパンで、揺れる体は不安定で恐かった。
「あんまり煽るな。優しくしてやれなくなる」
苦しい顔をして優也さんは腕の戒めをとってくれた。
開放感で嬉しくって、首にしがみつく。
中で質量が増した気がしてまた息が漏れる。
自由になった自分の手で、優也さんに触れる。触ってみて気付く。
この人に触りたくて仕方がなかったのだ、と。
真っ黒な瞳が入った瞼をなぞって唇をなぞると人差し指をかじられた
「やっ」
「や、じゃない。煽るなって言ったろ」
降ってくる強烈なキス
下唇を噛みつかれて固定されたまま嘗め回され、口の中に侵入してくる気配がした。
その自由に動く舌を捕まえてみたくて、僕も舌を精一杯のばす。
「力、抜け。これじゃこっちが保たない。」
そう言われても、全然わからない。ひたすら体が熱くて、刺激と熱の放出を求めてる。
腰を揺らすと少し熱が分散される。でも自分が動くだけじゃ足りない。
「も。もう、わかん、ない。へん。ねぇ、優也さ、ん」
「へんじゃない。これは、気持ちいい。だ。ほら言ってみろ。気持ちいいって」
そう言って優しく中を揺すってくれる。
「あっ、あん、あ、っはう、んっつ。きもち、い」
「そう、気持ちいい。愁、俺をみてろよ。わからなくなるな」
そう言って動きが激しくなる。
「ああっ…あっ、あっ。だめっ。もう、なんかくるっ。やっ。」
「気持ちいい。だろ?」
そうして塊は一番奥に向かって突き進んでくる。強く。甘い感覚と一緒に。
「きもち、い、っ…きもちい…、も、でちゃ、う」
一層強くなる動き。それと同時に前に指が伸ばされた
「名前を呼んで。どうしたいか言うんだ」
僕のぐちゃぐちゃになった物をどこまでも優しく扱きながら
敏感になってる内壁を熱い塊でこする。
「ああっ、優也さっ、んぅっ。イキた、い。もうイキたい。おねがいっ。」
「いい子だ。一緒にいこう」
ぐちゃぐちゃこすられながら、後ろを激しく突き上げられて
めまいがするような快楽
火花が散る、頭がショートしたみたいにぱちぱちしてる。
「ああぁっ。優也さん、優也さんっ」
がむしゃらに唇をあわせたら何かが溢れて、白い液体が優也さんと僕の間で吹き出したのと同時に
「くっ」
小さく呻いた優也さんが僕の中にあつい液体をはきだした。
そのまま僕は意識を遠くに飛ばしてしまった。
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