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間違っていたのは【副頭領視点】にしおりをはさみました!
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間違っていたのは【副頭領視点】
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秀徳に着いた。皆、冬の山を向いて待機していた。
「長……!」
「まだ待機なのだよ。俺といみ」
忌子、と呼ぼうとして黒子に言われた言葉を思い出した。
アイツは、忌子と呼ぶなと言った。
「宮地は最前線で待機だ、分かったな」
「ああ」
冬の山に、結界が張られた。
烏を飛ばして連絡した。紫原の声が聞こえた。
「しばらくは暇だ。全員、今のうちに休んでおくのだよ」
その時だった。休んでいる間に悪魔の様子を見ていた大坪さんが慌てて走ってきた。
「長、」
「どうした?」
「悪魔が集落の境に……!さっきまで領主が不在で動揺していたのが……」
暴動でも起きそうなのか……!?
秀徳には今、トップがいるはずだ。それが何故……!
慌てて集落と領域の境に向かう。
悪魔が集落へと来ようとしていた。
「来たぞ!」
「裏切り者を使うってどういう事だ!」
「忌子もいるぞ!そっちの頭領が裏切り者を使っているらしいじゃないか!」
忌子……宮地の参戦と、黒子の事か……。
確かに、今実際に指揮しているのは頭領だ。だから怒りの矛先は鬼である俺達に向かったのか。
俺や大坪さんが口を開こうとした。
「うるせーな、いい加減にしろ。消すぞ」
叫ぶような大きな声ではない。だが、俺達の耳にはっきりと聞こえた。
「どいつもこいつも、忌子忌子忌子……!だから何だってんだ!てめえらの血を半分ずつ貰っただけだろうが!
グダグダ言うな、祓い屋に消されんのと黙って祓い屋始末すんのと、どっちがいいか選べよ。
裏切り者だ何だと言うなら、力を貸さなくていいんだろ?勝手に消えてろ、俺は長達連れて逃げてやるよ」
それは脅しではない。俺にははっきり分かった。
今の宮地は、それが出来る。
「忌子の一人が……」
「何の騒ぎだ!」
そこに、高尾が来た。俺は高尾を見た。
「領主様!」
「忌子を黙らせてください!何故コイツが俺達と……!」
「黙れ」
高尾は悪魔達を睨みつけた。……忌み嫌ってきた俺に対してですら、こんなに険しい顔で睨んだことは無かった。
「宮地は貴重な戦力だ。領主二人に補佐一人でも祓い屋一人も倒せない相手に宮地無しでどうやって勝つ気だ、宮地が刺す前に俺が斬るぞ」
高尾の言葉に、悪魔達が大人しくなった。
「悪い、宮地。あれ?テッちゃんは?」
「洛山だよ。あに……頭領の所にいる。殺気の相手は今吉だった」
「……あー……。あの人か……」
……いつの間に仲良くなったのだよ、高尾、宮地。
それはさておき、
「高尾、状況を教えるのだよ」
「……かなり悪い。さっき言った通り、俺と笠松さん、森山さんの三人でも一人も倒せねえ。式神もそれなりだ」
「ふむ……。秀徳の扉を守るべきか……」
「扉は開かないさ」
伊月……裏切り者が現れた。
「だろ?アレックスさん」
「ああ!アタシが守ってる間は誰も通さない!」
女の声がした。どういう事だ?
「トップ、何処にいる?頭領の命令だ、俺はトップの目になる」
「こっちだよ、伊月サン」
高尾が伊月を案内する。その時に気付いた。
高尾が無事に戻った時に、宮地がまだいる事に安心した俺がいた事を。
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