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切望 #3 side Y にしおりをはさみました!
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切望 #3 side Y
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熱...下がったかな......
食事や水分は摂れているかな......
母さんに遠慮してないと良いな......
今日一日、頭の中は冬真の事ばかり。時計を見ればまだ昼前で...
はぁ......
メールの返信を確認すると
『まだ寝てる...』
の文字。
母さんの用件だけ伝えるのメールには、もう慣れたつもりだったけど...
こうして見ると...何だか切ない...
う~ん......
落ち着きない俺に、斎藤が尋ねる。
「何だか今日は、スゲーソワソワしてんなぁ?そんなに家に帰るのが楽しみなのか?」
斎藤がニヤリと笑いながら言う。
「違うよ。冬真が今朝方、熱出したんだよ。不慣れな場所で一人にしちゃうから、一応、母親についていてもらってるんだけど...何か...心配でさ...」
「マジか?何だよ!早く言えよ!今日はもう外出ないだろ?」
「うん。」
「残務整理だけなら時間休の1~2時間はゲット出来るんじゃね?俺は明日回せるのばかりだから、手伝ってやるよ!」
「いいよ。そこまでしてもらうのは悪いし...」
「バカ!お前のためじゃねーよ!冬真君のために言ってんの!早く帰ってやれ!一人で心細いだろう?」
「うん...ありがとな......」
「気にすんな。」
「あっ...あのさ......」
「おう!」
「何でさぁ...お前まで冬真のこと名前で呼んでるの?」
「葉祐...お前......」
「うん?」
「冬真君のことになると独占欲丸出しだな。でもまぁ...あれだけの美人なら仕方ないかっ!」
斎藤は再度、ニヤリと笑いながら言った。
斎藤の協力のおかげもあって、2時間の時間休をゲット出来た。もうすぐ社を出られそうという頃、短い着信音が鳴った。スマホを見れば、新着のメールが一件。それは母さんからで...
「えっ?母さん?冬真に何かあったのか?」
焦りを抑えきれない指先でメールを開いて見ると......
『冬真君の熱が下がったので、二人で一足先に帰るね!お父さんは明日の午後、冬真君ちに向かうって!お前はどうする?これから新幹線乗るから、電源切るね!』
珍しく文章らしいメール送って来たと思ったら......
何だよ...二人で帰るって...
何だよ...親父も明日向かうって...
それより...冬真の体調......
大丈夫かな......無理してないと良いけど......
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