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占い師にしおりをはさみました!
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占い師
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村、ではない。
レンガ造りの家がぽつんとあるだけ。
「…何か魔物の情報とか聞けるかもしれないし、行ってみよう」
「そうね。とりあえず2人、手を離しなさい」
シエラに言われて渋々手を離す。
まぁ、初対面の人は男同士が手を繋いでたら驚くだろう。
仕方ない。
「こんにちは。誰かいますか?」
「……これはこれは、勇者御一行様、お待ちしておりました」
「…あの、貴方は?」
「私はマーサ。ただの占い師でございます。少しでも勇者様のお役に立ちたいと思い、ここで待っていたのです」
綺麗な髪を持つこの女性は、ただの占い師とは言ったが…どうやら“ただの”ではないらしい。
…それに、彼女に似ている。
「…ソラ、これからどこへ向かえばいいか占ってもらいましょうよ」
「うん…」
「どうぞどうぞ、こちらへお座りください」
ふわりと微笑んだマーサは、水晶玉のあるテーブルへと向かい、俺達を近くの椅子へ招いた。
「………なるほど、違う力を感じていたのは…魔王様、貴方のせいですか」
「っ…なんで、」
「…ふふっ、私は占い師です。ある程度のことなら分かっているつもりです。さて、勇者様の進むべき道をお教えする前に…大切なことをお話しておきましょう」
急に真剣な眼差しになったマーサは、俺とマオを交互に見て悲しそうに言い放った。
「…愛とは大切なもの。ですが、時には恨むべきもの。魔物と人間は結ばれる事は残念ながら出来ないでしょう。貴方達が出会ったことは運命であり、宿命でもある。魔王様、貴方は」
「勇者様に、殺される運命なのです」
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