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05にしおりをはさみました!
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05
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買い物を済ませ寮に着くまで、蓮の映画の話は終わらなかった。
そんなに知ってるなら見なくていいんじゃないかと思う程、内容を把握している蓮に若干引いてきた。
懲りない奴。また振られんのに無駄な努力なんかして。
「ただいま」
部屋に着きドアを開けると返事はなく、まだ隼人の姿はなかった。
ああ、俺は一人でこいつの恋愛話の続きを聞かなきゃならないのか。
「おじゃましまーす」
俺の横を通り抜けそそくさと部屋に上がる蓮の背中を睨み付けながら俺も中に入る。
冷蔵庫に食品を仕舞うと、ご飯まで少し時間がある為自分のベッドに横になった。
蓮はと言うと、ソファーに座りテレビをつけてころころとチャンネルを変えている。見たいものがなかったのか、ソファーから立ち上がり俺の隣に寝転んできた。
暑い。近い。狭い。離れろ。
「あのさ」
「……」
「あのさ…」
「………」
聞こえていても聞こえていない振りをした。
どうせもう、好きな子でもできたんだろう。
「だから、あのさー!」
「煩い。なんだよ早く言えばいいだろ」
シングルベッドで狭いため、かなり距離が近く蓮の声が鼓膜に響いて痛い。耳を押さえていると蓮が起き上がり俺のお腹の上に跨ってきた。
「聞く気ないでしょ」
そう言って俺の手を掴み耳から離す。そのままベッドに両手を押さえつけられてしまった。動かそうにも、蓮の方が体格がしっかりしていてびくともしない。
ジッと見つめて来るその目は真剣で、いつもヘラヘラしている蓮とは違って見える。
切れ長な目に長い睫毛。スッと通った鼻に薄い唇。
蓮は、本当に綺麗な顔をしている。
フラフラしてきなければモテモテだっただろうに。
「あるよ」
「なら、聞いて」
息が掛かる程に顔を近付け、耳元で言う。
「…あぁ」
「俺、男を好きになっちゃたんだ」
恐れていた事が、起こってしまった。
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