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04にしおりをはさみました!
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04
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ちょっと不機嫌そうな冴に、どうしたものかと頭を悩ませていると腕に軽い摩擦が起きた。
視線を下の方にやると、俺の腕に絡まる細い腕。
恋人にそうするのは、当たり前の行動。
これが尚だったら、なんて、考えるのはやめてしまおう。
冴の恋人は、俺。俺の恋人は、冴。
「ここが尚の部屋だよ。ちょっと待っててくれる?」
「はーい」
いつまでその不機嫌な態度は続くのか。ぶすっとした顔で返事をする冴に頭が痛む。
機嫌を直してもらうには、どうしたらいいのかな。
後でこっそり、尚に聞いてみよう。
ドアノブを捻ると、案の定鍵は空いていた。
金曜日はいつも尚達とご飯を食べるから、余程の事がない限り鍵は空いている。
いつも通り部屋に上がり、キッチンを抜けてリビングに入る前、俺は見たくないものを見てしまった。
リビングの奥の左側には尚のベッドがある。
右側が隼人くんのベッドだ。
隼人くんのベッドには本人はおらず、尚のベッドに隼人くんが居た。
尚に覆い被さる様に。
規則正しく動いていた心臓が激しく動き出す。
硬く目を閉じ、ゆっくりと深呼吸を繰り返して、尚の部屋を出て行った。
「蓮先輩、どうしたんですか?」
「あ、あぁ…やっぱり、今日は食堂で食べようか」
「えー?高安先輩のご飯食べたかったのになぁ」
「うん、ごめん。取り込み中だったみたいで」
「え?何かしてたんですか?」
「……」
尚が好きな相手は、
直ぐ近くに居たんだ。
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