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恋愛初等部~給食と様子の可笑しいあの子~にしおりをはさみました!
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恋愛初等部~給食と様子の可笑しいあの子~
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「はぁ…。」
ため息をつきながら、まだ11月の上旬だというのに寒い廊下を歩く。
給食のため、5年B組へ向かう。プリントを作成していたせいで、職員室を出る予定であった時刻をオーバーしてしまった。いつもならもっといる白衣を着て給食の準備をする子供たちは少なく、少々焦る。
教室に着くとほとんど配膳は終わっていた。
「はい、これ、先生の分です。」
振り返ると煌輝くんが満面の笑みでトレーに乗っている給食を差し出した。
「ありがとうござます。」
「いえいえ。」
そういうと自分の席に戻って行った。僕も自分の席へと着く。
準備が終わり、全員が着席したことを確認すると、給食係が起立して号令をかける。
「手を合わせて下さい!」
「はい!」
「いたーだきます。」
「いたーだきます!」
ここでも相変わらずの元気の良さに気持ち良さを感じながら自分の給食に手を付ける。
今日の給食はカレーだ。皆の大好物であり、大人である僕には辛さが少し物足りないが、ここの給食はとてもおいしい。
がやがやがやがや楽しそうに給食を食べる児童たち。やっぱりこういう空間っていいな。
「うわあっ!」
一人の児童の叫び声を先導に次々と児童たちのがやがやが楽しいがやがやではなくなっていく。
そちらの方を見ると、叫び声を上げた児童のカレーが零れていて…。
僕は急いで隣にあったティッシュボックスを手に取り、担任の板野先生より速くその子のもとへと駆けつける。
何故こんなに急いだのか…。それはカレーが熱いからだけではない。カレーを被ったのは煌輝くんだったのだ。
煌輝くんはただただカレーを大人しく見つめているだけだった。普通熱いってもっと言うだろうに。そんな姿が余計に心配になり、制服のズボンについているカレーを拭う。人参、じゃがいも、玉ねぎ、肉…。様々な具材とルーを拭き取って、ふと煌輝くんを見る。
先程のすました表情ではない。赤面していた。余程熱いのだろうか?
「先生、やめて…。」
か細い声が聞こえてくる。周囲の児童には聞こえていないらしく、零してしまった児童は固まってしまって見下ろしているだけで、他の児童は騒ぎ立てる。
「駄目ですよ。まだルーがこんなにもつてるではないですか。」
ティッシュでまだズボンについているカレーをとる。
「やぁ…っ。」
目をつむって顔を赤くしている煌輝くん。そんなに熱いならはやく取らなければと手も速くなる。
しかし、顔を赤くしている煌輝くんも可愛い。もっと触れていたい…。そんな思いとは裏腹に、全てのカレーを拭ってしまった。
「もう大丈夫ですよ。」
煌輝くんはとろーんととろけた目をしている。そしてしきりに足をもぞもぞ動かしている。
「気持ち悪いわよね。保健室に行って早く着替えていらっしゃい。」
背後から板野先生が呼びかける。
「行って参ります。」
彼は礼儀良く返事をすると余程気持ち悪いのだろうか、足早に教室を出て行った。
少し心配になって教室から除くと何故か彼は真っ先にトイレへと駆け込んだのだった。
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