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18歳以上ですか?
捕食対象にしおりをはさみました!
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捕食対象
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「っくッ、ンッ」
じゅくじゅくと水音を立てながら七山の舌はまるで別の生き物のように蠢いて俺自身を愛撫し続ける。抵抗する意欲は腰をしっかりと固定してフェラをするこいつの途轍もない色気に木っ端みじんに大破された。
甘い刺激に首の後ろがビリビリと痺れ、油断すれば今すぐにでも達してしまいそうだ。質量の増していくソレに七山が鼻で笑った気がした。できるだけ相手を見ないように意識を集中させているのにどうしても己の股の間に挟まれている端正な顔に眼がいってしまう。
性器を口に含みながら七山がもごもごと唇を動かし何か喋ったが、聞き取れるはずがねえ。顎を上下に動かす連鎖で歯が濡れた表面に少しだけ食い込みむず痒い刺激が増す。
(ッ、くそ、何なんだよッ)
バチリ、とはちみつ色の瞳との間に火花が散り厭らしく赤い唇が弧を描く。その真意を想像できないまま、頬を窄めた七山は一気に先端を強く吸い上げた。ずるずると先走りを全て絡め取られる快楽に堪え切れない。
「…ぅ、く、う」
(もうヤバい、出そう…)
押し寄せる射精感に身ぶるいする。
瞼を閉じて本能に従順に、ここがどこだかという事も忘れ募った快感を吐きだした。
「ンぅ…ッつ、…んんッ!?」
俺の肉棒を咥えたままの七山の舌に少量の白濁が散った、しかしまだ続きを吐精する前に指先が性器の根元を締めて射精を妨害する。出かけた精液を寸止めにされ痛みに驚いた。
(…こいつは一体、何して…?)
全て吐きだしてしまいたいのにやつがそれを許さない。
「いッ、ン、ンンンッ、」
懸命に上体や脚を動かしてイきたいと訴えるが悪魔はニヤニヤと笑うだけでその指先を離そうとはしない。冷たい悪寒が背筋や項を這い気持ち悪さから目尻が潤む。音を立てて性器を口から抜いた七山は俺の腹の上に白濁の混じった糸の引く唾液を見せつけ垂らしてきた。
熱い液体はそのまま床に向かって脇腹のカーブを滑り落ちて行く。自身の途中で遮断された精液は逆流して体内に鎮まろうと熱を帯びる。そんな感覚に思わず唇を噛みきった。
「ンンッん、ん、くッ」
「まだ、イくなよ…?」
息の根を詰まらせるような冷たい一言を放ち笑いながら指の力を緩めないで先端のくびれを舐められ一方的に与えられる刺激に体が仰け反る。
ある意味拷問じゃねえか。
手を動かそうにもしっかりとガムテープで固定されたせいで手が股に触ることは愚か、頭上から動かすこともままならない。もどかしく醜態をうねらすだけで精一杯だ。
七山は俺の男根を塞き止めたまま腰を持ち次の行動に出る。体をうつ伏せに転がし床にナニの先端がつかない様にご丁寧に尻を突き出させる体勢にした。
もあもあと湯気のような熱が脳内を燻り羞恥に全身が戦慄く。
視線を上げれば先ほどまで視界に入らなかったファービーの面子やダンディーの総長が飛び込み惚けていた頭に一気に冷水を浴びせられる。
(…きっと随分惨めな光景なんだろうな)
忘れかけていたこの場所と、何故こんな行為をされるのかという「理由」が喉を締めて切った唇から漏れる血がガムテープの中で滲んでいく。
後ろではまるで鼻歌でも歌い出しそうな程、上機嫌な七山が俺の腰骨や臀部を探り指先を滑らす。
普段は絶対に日の光を浴びないはずの箇所を気に入らない相手に堂々と晒す俺、且つ俺達の左横でビデオを回す男、右横のソファで足を組み、手で口元を覆ったままこちらを冷酷に見下す宮古、まったく興味が無いと窓際に座り両目を外の景色に移す秋ノ宮。
こんなの、何が何だか。
「ふ、ッ…ンあ…」
額を床に押し付けて全てを遮断する。皮肉にも視覚は防げても聴覚は防げない。
嘆くのも束の間、何か冷たい液体が尻の窄みに掛けられ温度差に体が収縮する。行為に反して優しい七山の手付きにかなりイラついた。
窄みから内腿を緩慢に伝うゼリー状の何か。潤滑剤だ。
それが俺の尻にぶっかけられてるなんて、今更驚くより先に開き直っちまう。いきなりぶち込まれるより随分マシじゃないかと己を慰め堪える。この先なんて考えたくねえ。
戒めていた性器から手を離されたがこれから尻をイジられるショックに続きは出なかった。腰を突き出しみっともない姿のまま、たっぷりとつけられたらジェルと共に指先が躊躇い無く胎内へ挿入され、覚悟を遥かに上回る刺激に血を流す唇を二度噛みしてあちらこちらと痛む体につんのめって痙攣する。
「ンーーッうう、くッ!!!」
「ふは、痛ェ?…解さねぇと入んないだろ?」
背中に体を重ねる様にして七山がシャツを捲り肩甲骨に歯を立て囁く。
チクリと素肌に食い込み痛覚と吐き気が混ざった。俺の反応など見ていないかの如く乱暴に混ぜる指を増やす。内壁を引っ掻く指先を追い出そうとするが下手に締め付けるだけで効果は無え。
妙な火照りに飲まれそうになった時、すっと目の前に七山では無い別の誰かが胡座をかいて座った。
胸の下で体重を支えていた両腕を強引に持ち上げられ、意外な正体が明らかになる。宮古だった。
手首を纏めて縛られているせいで腕を捕らわれると必然的に上体が起き上がり宮古と対面する。何をする気かと睨めばこいつは唇に微笑を浮かべ、さっき見た冷酷な表情はどこへやら…あろうことか俺の腕の中に首を通してきた。
テープのせいで輪になった腕の中、ファービーの総長と向かい合わせで白い首に強制的に縋る姿勢だ。
その行動が意外すぎて、胎内を掻き回されている事を一瞬忘れかけたが七山が「何スか、総長」と捻れるような口調で吐き捨て邪魔をするなと言わんばかりに窄みにもう一本指先を埋める。わざとらしい粘着質な音が響き衝撃に声をくぐもらせれば宮古がクスリと笑った。
視界には悪魔のボス、大魔王のあくどい表情が一杯に映り他は何も見えない。
「七山がすげぇ楽しそうだから、…どれだけ面白いのか気になって」
(おもしろい、だと、人を玩具みてえに…くっそう)
不満を押し詰めて未だ睨み続けてやれば眉間を小さく動かした宮古は俺の顎を捉え粘着力の弱まったガムテープを剥がしにかかる。どういう風の吹き回しだろうか、貼れと言った本人が解放させた。
ひっかかりながらも唇を塞いでいた異物が取れ、開放感に何度も息を吐き出して確かめる。顎を掴んだままの大魔王の親指が唇の下を拭うように動いた。
(ああ、そういや、口のまわりは血だらけなんだろうな)
指先を拒むが七山に体力を削がれつつあって逃げきれない。それに腕も尻も持ち上げられ辛い。
嫌々見つめ合う俺と宮古の背後に七山が纏わりつく内壁を長い指に絡めて奥へと引っ掻く。段々と慣れてきた神経に上乗せして言葉にし難い恍惚がゆるゆると支配し丁度当たった一点に思わぬ悲鳴が出た。けれどそれを塞ぐガムテープが無い。
「っぅッ、あ!ぁ」
「…そんなにイイのか?」
「はっ、ッよく、ねぇよ!…こンのッ」
思い切り宮古の前で吐息をもらした事に羞恥と悔恨でキッと唇を結んだが、二度も噛み切ったそこは痛かった。
「い…つッう、は、…や、めろッ…」
黒い瞳がじろじろとこちらを鋭い視線で舐め回してくる。犯そうとしているのは七山なのに、ただ目の前にいるだけの宮古に必死で止めてくれと喚いた。コイツが一言「中止」と言えば全てが終わるのに。身悶える俺の顔を蛇か猛禽類のような、捕食者の眼差しが映す。
添えていた指で上を向かされ気づけば魔王の顔が接近し、唇の傷へと舌が伸びる。あっと思った瞬間には軟体がペロリと下唇を何度も往復してそのまま唇を重ねていた。口内に深く広がる血の味。何のつもりか、もう分からねぇ。
隙間を割り侵入する舌先は妙に熱くて柔らかい。唾液と血液を掬いゆっくりと歯列をなぞられれば自律神経が千切れそうだ。
「ふ、く、ンぅ、やめッ!ッは、何」
「ちょ…総長…手ぇ出してんじゃないですかぁ…」
「別に突っ込んだりはしねぇよ」
「初体験の子に3Pはキツいんじゃないすか」
「少しからかうだけだって」
耳元で七山の吐息が擽る。恐ろしい会話が俺を越えて飛び交い、その中でも宮古は口付けを止めない。必死で顔を背けてキスから逃げようにも噛んだ傷口に触れられれば痛みに体が強張る。
それに加え現在進行形で尻孔を解されてて、気でも狂いそうな状況に俺はただ、どうにでもなれとふっきれた。
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