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嫌だよ、ここにいたいにしおりをはさみました!
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嫌だよ、ここにいたい
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倒れこんだ僕をみると永瀬は
「…へへ、なんか、りんに触るの、久しぶりだねっ」
と満足気に笑った。
まぁ、確かに…、こんなちゃんと永瀬の顔を見たのは久しぶりだ。相変わらず綺麗な顔だな、と思い自分の右手で永瀬の頭をなでた。
「…なぁ、永瀬?」
「ん?」
「あの日さ、あの、お前がぼくの家に来た時の事、なん、だけどさ。その、なんかあった?」
「……ちね……れ……ないと…ないん、だ…」
「え?」
「りん…?……俺達ね、お別れ、しないと…いけないんだ。」
「…え……?お、別れ…?」
「…うん…」
コクっと頷いた。
今にも泣き出してしまいそうな顔。
こんな永瀬初めて見た。
__でも『お別れ』って?
「俺りんの側にいたいよぉ…」
ぽたぽたと永瀬の両目から大粒の涙が零れた。
いやだ、いやだ、ここにいたい、お別れしたくない、と子供のように泣き喚く永瀬。
そんな、泣いている永瀬を見ていたくなくて、見たくなくて、僕は永瀬を抱きしめた。
「…うっ…ん、り、ん…?」
「…側にいるよ。大丈夫。お別れなんてしなくていいんだよ。」
何も知らないけど、何が永瀬をこんな風にしたのか知らないけどね、僕は強く、強く永瀬を抱きしめてそう言った。
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