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俺のせいで。俊哉sideにしおりをはさみました!
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俺のせいで。俊哉side
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…………俺のせいで。
俺が、車に気づかなかったから。
三國くんが、俺をかばって怪我をした。
無意識のうちに握っていた、三國くんの手。
暖かくて、生きていて、よかった。
本当に、よかった。
もう手を離してよ、と。
脚を折って痛いはずの三國くんが、笑った。
「鈴木くん、のせいじゃないから」
身体を起こした三國くんが、俺を真っすぐ見つめて言った。
頬にはガーゼが貼ってある。
擦り傷だけど、綺麗な顔に大きく傷が付いた。
「…ごめん」
いたたまれなくなって、視線を反らす。
離した手が冷めていく。
三國くんの手の、指先にいくつか巻かれた絆創膏を見つめた。
すっ、と手が動いて、俺の左頬を撫でる。
「鈴木くんは、怪我はない?」
「…かすり傷ひとつ、なかったよ」
なら、よかった。鈴木くんが無事で。
そう言ってまた笑った三國くんの笑顔はいつも俺をからかって笑う顔で、ほっとしたような、申し訳ないような。
三國くんは優しすぎる…。
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