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18歳以上ですか?
なな。にしおりをはさみました!
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なな。
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*
手に持っていた携帯をギュッと握りしめる
(本当に…来てくれるのかな……)
もし来てくれはなかったらどうしよう。
そう不安に思っていると
「おいっ!柳木 真!!」
俺を呼ぶ、大好きな人の声が聞こえた
(嘘……。)
顔を上げると、そこには息を切らした新道さんの姿が
なぜか私服姿で
汗だくで
黒色の緩くパーマがかかった丁度いい髪の毛が
今は汗で首や頰にペタッと張り付いている
(しかも今、俺のことフルネームで読んでくれた…)
彼はズンズンと俺のところまで来ると、俺の頭に拳骨が落とす
ゴツッ!
「いてっ!!」
痛む頭を抑えて彼を見ると、顔が鬼のように怖かった
「正真正銘の馬鹿とはまさに、お前のことを言うんだな」
「う……」
その言葉、返す言葉がありません……
「ったく。しょうがねぇな……
ほら。俺にカーディガン返してくれるんだろ?」
そう言って彼は手を差し伸べる
「あ、はいっ!
どうぞ受け取ってください」
そう言って俺は彼にオレンジ色の袋に入った白いカーディガンを渡した
「ん。確かに受け取った
帰りは高校までの道に着けば分かるか?」
「はいっ。
そこまで行けば後の道は分かります」
「そうか、じゃあついて来い。高校まで送ってやる」
空は暗くなって、街の街灯がついていく
夕暮れを背に歩く彼の後ろ姿に、俺は何だか嬉しくなった
小走りして彼の隣に並んで歩く
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