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緊張してるの?にしおりをはさみました!
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緊張してるの?
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真山と手を繋いで、二人並んで歩く。
公園から真山の家まで。
ほんのちょっとの距離を、俺たちは無言で過ごした。
(……本当にするのかな)
もう迷いはないけど、不安までなくなったわけじゃなかった。
俺も真山も初めてだし、それ以前に男同士だ。
やり方なんて、見たことも聞いたこともないし…当然、保健の授業で習うようなことでもない。
(具体的なこととか、全然考えたことなかったな…)
正直、直前になった今でも、実感がわかない。
イメージも、漠然としたものしかない。
真山はちゃんとリードしてくれるだろうけど…それじゃだめな気がする。
でも、じゃあ俺は何をすればいいのかって聞かれたら……
(…んー…やっぱりよくわかんない……)
「…藤川?」
「え?あ、ごめん…なに?」
「着いたよ?」
「あぁ……」
あっという間に、真山の家の前。
なんか緊張してきた。
ぎゅっと真山の手を握る。
「大丈夫?」
「う、うん…」
優しく頭を撫でてもらって、ちょっとだけ安心する。
呼吸を落ち着けてから、そっと玄関に足を踏み入れた。
「何か飲む?」
「えっ、と…」
どうしたらいいんだろう。
ここはいつも通りで…いや、すぐ部屋に行ったほうがいいのかな。
全然わかんないよ…。
「ふふ、そんなに緊張してるの?」
「だ、だって…!」
何、その余裕。
いや、真山が余裕なのはいつものことだけど…
もしかして、こんなに緊張してるのは俺だけなのか?
もっと気楽に考えてもいいの?
「…………」
いや、無理。
緊張しないなんて無理。
真山がおかしいんだ、きっと。
「…真山に任せる…」
「そう。俺は、このまま部屋に直行でもいいんだけどね?」
「…う……」
いたずらっぽく笑いながら、さらりと恥ずかしいセリフを言ってのける真山に、一気に顔が熱くなる。
もうくじけそうなんだけど…。
「ふふ、冗談。ごめんね」
真山が俺の頬に触れる。
今日も冷たい指先。
「喉乾いてる?」
「…さっきココア飲んだからあんまり…」
「じゃあもう部屋行く?」
「…………」
「部屋に行ってすぐする必要はないんだよ?」
「あ、そっか…」
それもそうだな…なんで気付かなかったんだろう。
相当テンパってるな…。
「……じゃあ行く」
「うん」
微笑んで、手を繋いでくれる。
心の底から緊張しながら、真山の部屋に向かった。
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