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サプライズ …2にしおりをはさみました!
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サプライズ …2
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食堂に向かう途中で、昨日の別れ際の松井さんを思い出した。
あの後…大丈夫だったのかな？
雅治さんに断られて、彼女来てるって聞かされて。
さっきの加藤さんの話も気になるし。
だけど、俺がそれを心配するのは、やっぱり違うよね？
…うん。
まるで俺のそんな考えを見透かしたように、松井さんが口を開いた。
「昨夜はお疲れ様でした♪…あと、なんか……すみませんでした」
えへへ♪と、笑う。
すみません、は最後の雅治さんとのやり取りのことだよね？
でも、それを確かめる勇気は俺にはなくて…
「いえ…」と、微笑み返すしかできなかった。
「あの後…小栗さん、どこかに行かれたんですかぁ？」
「え？いえ、ホテルに戻りましたけど？」
「へぇー…そうなんですか？
そう言えば…佐藤さんって、やっぱり小栗さんと仲良いんですねー♪」
えっ？仲良い？
そんな場面あった？
別れ際に一緒にコンビニに行ったこと？
「そ、そうですかねぇ？」
何か…見られた？
いや、俺の部屋で会うまで雅治さんはハリウッドオーラ出してたし、俺も距離とか気をつけてたし…
それとも深い意味はない？
俺の気にし過ぎ？
うう、分かんない。
「今度、相談に乗ってもらいたいな〜」
なんて、松井さんに笑って言われたけど…
これは…笑って適当に誤魔化すしかない？
とりあえず笑顔を作ったところで、天の恵みか「お疲れ様」と、雅治さんが登場してくれて、松井さんとの会話は終了した。
昼食の途中で、雅治さんが松井さんに「帰りの飛行機、取れたか？」と質問した。
「はい。16時の便が取れました」
「そっか。良かった。帰りの準備が出来たら、適当に帰って良いよ。移動時間の残業もつけておいて」
「はい。分かりました！」
松井さんは笑って答えたけど…
寂しそうに見えるのは、俺の色メガネのせい？
何で松井さんは、彼女がいる人を好きになっちゃったんだろう？
…彼女から奪ってでも欲しいくらい、好きなんだよね？
それから、東京の天気の話になって…
適当な時間になって食堂を出た。
午後、今回の製品の生産が始まることになった。
俺の作ったプログラムが本番で動くのだ。
最初のいくつかの動作を確認して、問題がなさそうということで、OKをもらえた。
それを見届けてから、松井さんは帰って行った。
うわー！
終わったー！！
ここに来てやっと、緊張が取れた感じ。
「佐藤君は、後は…自社に報告とかあるのかな？」
雅治さんと作業ルームを片付けている途中で、そんなことを聞かれた。
「そうですね」
「じゃ、それは事務所の会議室でやってもらえる？それが終わったら、課長に一言伝えたら帰っていいから」
「えっ？…でも、1時間もせずに終わると思います。…いいんですか？」
今は15時。
つまり16時には帰ることになって…。
定時は17時半なのに。
「いいよ」
雅治さんが、周りをキョロキョロ見た後、俺の耳元で囁いた。
「俺の職権乱用。…ホテルで待ってて。俺も17時前には帰るから」
えっ？
どういうこと？
作業していたパソコンを落としてから
「じゃ、また後でね」
と、雅治さんがスルリと俺の肩をなでて、作業ルームを出て行った。
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