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つんやんでれにしおりをはさみました!
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つんやんでれ
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「なぁ、どっか…」
「行かない」
行かないか?とまでも言わせてくれずに即答したこの男は一応、俺のコイビト。
俺のいうことなんて聞きゃしないしマイペース極まりない。よく言えば一匹狼なやつだ。
それにしてもこれでは行きたかった場所にも行けない。
ひとりでとか友達と、とかいろいろ手はあるにはあるんだが…。
「じゃあ俺誰か誘って、」
「行くな」
ほら、な。
こいつは俺がこいつ以外の誰かと遊ぶことを必要以上に嫌う。
そんなワガママに困りもするけれど、愛されてるって実感がないわけではないから、少しだけ嬉しかったりもする。
だが、それとこれとはまた別で。
「今日までなんだよ。お前が行かないなら誰か誘うしかないだろ」
「……」
黙り込んでしまった彼の頭をぐしゃっと撫でて、返事待ちだった友達に電話をかけた。
日も暮れて辺りが暗くなり始めた頃、なんとなく入ったファミレスを後にした。
「じゃーな。誘ってくれてサンキュ!」
「おー、こっちこそ助かった。気をつけて帰れよ〜」
「お前もな」
軽く手を振って友人と別れる。
あ…あいつ、どうしてるかな。
置いてきたあいつを思い浮かべて、苦笑する。
今日は酷そうだなぁ。
内心で独りごちて、まぁいいかと帰路についた。
「ただいま」
靴を脱いだ瞬間に強く腕を引かれる。そのまま壁に叩きつけられて、一瞬息が止まった。
「ぅ…っ、」
呻いた俺なんか気にもしないで、強引に合わせられる唇。
「ま…て、って…!」
キスの合間にそう言っても、彼は一言も喋らずただぎりぎりと俺の腕を強く握りしめている。
「…誰と、なにしてた?」
やっと喋ったかと思えばおかえりでもなんでもない威圧を込めた言葉で、ついそれに呆れてしまう。
「友達とあそんでた。お前と行きたかったのに行かなかったからこうなったんだろ」
ぎらりと睨んでくる目にはもう慣れた。
「…はぁ…お前力強いんだから加減しろよな…」
痛む腕をさすりながらぺち、と未だ睨む彼の額を叩く。
「…俺は、お前だけなのに」
「何回言わせんだ。心配しなくてもお前から逃げたりしねーよ」
ばーか。
解れよ、その気持ちを込めて言った言葉はちゃんと届いたようだった。
「…で、今日はどうすれば機嫌直してくれんの?」
抱き寄せてとんとんとふたつ背中を叩いてそう尋ねる。
…ああ、今日は酷そうだなぁ。
さっきも呟いたそれをまた内心で苦笑しながら呟けば、歯が当たりそうなくらいに乱暴な、噛みつくようなキスをされた。
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