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妖怪化学 4にしおりをはさみました!
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妖怪化学 4
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ネックレスのおかげで妖力も収まり、阿久津が嫌そうな顔でこちらを見ている。
「...なんだよ」
「別に」
すっっっごく拗ねてるのがわかる。
「あ、あのね。純血の和鬼って、本当に凄い妖怪なの。妖力の低い妖怪からしたら、本当に恐ろしい存在で。だって、いつ消されてもおかしくなくて。でも、若葉は僕達を消さないってわかってる。仁もちょっとびっくりしただけだよ。ごめんね、若葉」
申し訳なさそうに目を伏せる稜に、少しだけ胸が痛くなる。
何、俺ってそんなに凄い妖怪なの?
俺に消されるって何?
俺は稜達を殺さないよ
そう思えば思うほど、胸の痛みは増していく。
何故かこのままだと、皆が離れていってしまいそうで、不安を抱いてしまう。
「...俺は人間として生きてきたから、妖怪の力の差もわからないし、妖力の使い方もイマイチわからない。でも俺は、稜と阿久津を傷付けたりはしない。約束するよ」
そう俯くと、楠先生の柔らかい声が聞こえる。
「どんな妖怪で、妖力がどれ程強くてもぉ、十朱ちゃんは十朱ちゃんよぉ。自分に自信を持ってぇ」
パチ、と阿久津と目が合う。
口をへの字に曲げて、睨みつけてくる。
「俺はお前となんか一緒にいねぇよ」
「訳( ずっと一緒にいる) だって。天邪鬼は、思った事と逆の事を言って、人を惑わす妖怪だもんね!」
そう言って、稜が笑う。
それを見て、俺も笑う。
「うるせえ!!」
って、顔を真っ赤にしながら阿久津が怒る。
ああ、なんか俺、やっと稜と阿久津と、本当の意味で友達になれたのかな。
なんて思ったりしながら、また笑う。
楠先生は生徒の変化を見て回りながら、マイクのある場所へと戻っていった。
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