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動き出す闇 1にしおりをはさみました!
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動き出す闇 1
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それからというもの俺たちは、妖怪化学の授業がある度に校庭へ赴き、妖術の特訓を重ねていた。
楠先生の言う生の元素と死の元素の事は未だにさっぱりわからないけど、残る二つの元素は次第に操れるようになってきていた。
青の炎は水の元素。
黄色い炎は土の元素。
個々で扱うことは出来ても、この2つを上手く練り込めない。
ス...ッと胸の前で印を組み念を込めると、直径3cm程の小さな水の球が幾つも浮かび上がり、キラキラと踊り出す。
ぱっと見凄くしょぼく見えるかも知れないけど、それで相手を油断させられたらこっちの物だ。
左手で拳を作り右手でその拳を軽く叩けば、キラキラと踊っていた水球はガンッと鈍い音を立てながら、地面に穴を開ける。
無数に開いた穴を見つめながら、垂れてくる汗を拭い、溜息をつく。
汗ばんだ胸元に、楠先生がくれたネックレスが重く光っていた。
「....だせぇ術しか使えねえ」
その呟きを聞いてか聞かずか、稜が笑顔で近寄ってくる。
「凄いよ、若葉。この間まで妖術の事さえ知らなかったのに、こんなに濃度の濃い水球を幾つも作れるなんて...」
「でもさあ、なんか納得いかないんだよな。どうせならもっとこう、パーっと格好いい技を使いたい」
「やだなあ、若葉。術は見た目じゃないんだよ」
「ん〜、わかってはいるんだけどな」
「若葉は、妖術よりも鬼の力を100%発揮できる体術の方が向いているのかもね」
その稜の言葉を聞いて、思わず顔を上げる。
そうだ、俺、絶対妖術より体術の方が向いてるじゃん。
なんで今まで気づかなかったんだ?
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