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動き出す闇 7にしおりをはさみました!
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動き出す闇 7
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若葉の方はもう大丈夫だろうと踏み、意識朦朧としている仁のそばに行き、そっと額にキスをする。
「.....、無事で良かった...」
「んな、簡単に、しなね、よ」
息をするのも辛そうな仁のお腹にハンカチを当て、傷口を塞ぐ。
溜まっていく涙を、溢すものかと唇をキツく噛む。
許せない。
仁をこんな風にしたあの男を、許せない。
でも、一番許せないのは、何もできなかった自分だ。
辺りにいた生徒に仁を見ててもらい、呼詠の方へ走る。
完全に意識を失った呼詠を介抱していたクラスメートが、泣きそうな顔で此方を見る。
「...呼詠は....、...」
口を開くのが精一杯。
聞かなくたってわかる。
息はしているけど、早く治療をしなきゃ身が持たない。
男を取り押さえている鞍馬先輩をチラリと確認し、此方が優勢に立っていることを改めて把握する。
楠先生の方へ走り、手の空いてる生徒に仁と呼詠を医務室へと運んで貰うよう頼んだ。
僕は、今僕が出来る最善のことをしなきゃ。
仁と呼詠を、助けなきゃ。
小さく息を吸い、仁と呼詠と共に医務室へと走った。
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