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動き出す闇 11にしおりをはさみました!
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動き出す闇 11
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わずかに差し込む太陽の光が、銀司さんの白銀の髪を綺麗に照らしていた。
「あの、鬼は..」
「....あいつは死んだよ。」
【死んだ】
その言葉が、胸に刺さる。
わかってる。
仕方のない事なんだって。
あいつを殺さなきゃ、俺たちが殺されていたんだから。
わかっていても、この現実離れした出来事を、上手く受け入れられない。
「そ、か....」
「あの鬼は死ぬ直前に、【我ら】と言ったんだ。恐らく彼奴には、仲間がいる。彼奴らの目的は2つ。【和の鬼狩り】と、【妖怪全滅】だ。西洋の鬼が、なめた真似をしやがって」
眉間に寄せられたシワが、悔しさを物語っていた。
どうして、俺達を狙う?
何も、していないのに。
和の鬼が、日本の妖怪がお前達に何をした?
「...若葉。守ってやれなくてごめん。」
「銀..司さん、俺、守ってもらったよ」
「......ッ」
「ちゃんと...聞こえたから...。銀司さんの、声。銀司さん、俺を助けてくれて...ありがとう」
そっと、優しい手が、俺を撫でる。
ゆっくりと落ちてくるキスを受け止め、銀司さんに手を伸ばす。
少しやつれたような頬に手を当てて、小さく微笑む。
俺、気づいてたよ。
銀司さんが、あいつを殺してくれたんでしょ?
銀司さんの爪から微かに流れる、彼奴の血の匂い。
銀司さん、嫌な思いさせてごめんね。
俺が強ければ、銀司さんにこんな思いさせなくて良かったのに。
「銀司さん...俺、強くなる」
「...お前は、そのままでいい」
「やだよ、ばか。俺も銀司さんやみんなを守れるようになりたい。」
「...ばかってなんだよ」
銀司さんが笑うから、つられて笑う。
俺ね、絶対に強くなるから。
銀司さんに負けないくらい、強く。
もう誰一人、傷つけたくないんだ。
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