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西洋の鬼 1にしおりをはさみました!
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西洋の鬼 1
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窓から差す太陽の光がユラユラと、静かに揺れる。
長く続く階段を、一歩ずつ踏みしめながら歩く。短期間で完治した、この鬼の身体を引きずりながら。
「はあ」
自ずと口からはため息が漏れる。
理事長が俺を呼んでいるらしい。
「...そういえば」
ポケットからブラックキーを取り出し、くるくると回す。
このブラックキーをくれたのも、理事長だったっけ。
僅か半年前の出来事が、まるで何年も前の出来事のように感じる。
どうして理事長は、こんなものを俺に渡したんだ?
知り合いでも何でも無いのに、待遇が良すぎるよな
「...今さら考えても、な」
もう一度深く溜息を吐いて顔を上げると、大きな扉が待ち構えていた。
妖怪学園だからなのか知らないけど、いちいち立派で不気味な学園だな
コンコン..ッ
ノックの音が静かに響き、中から返事が聞こえる。
ゆっくりと扉を開くと、その先に広がる光景に、思わず声を上げてしまった。
「おっ、叔父さん...!?」
正面にある大きな椅子に腰掛ける叔父さんと、ソファーに腰掛けるクソ生徒会長と、風紀委員長。おまけに、不知火さんと右京さんと鞍馬さんがいた。
「え...、何?どういうこと?」
混乱した頭の中で、叔父さんを見つめる。
「若葉...。黙っていて、すまなかった。俺は訳あってこの学園の理事長を務めているんだ。驚いただろう?」
小さく微笑む叔父さんに、呆れて物も言えない。
なるほど、ブラックキーはそういうことか。
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