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西洋の鬼 2にしおりをはさみました!
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西洋の鬼 2
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そしておじさんは申し訳なさそうにゆっくりと口を開いた。
「お前の身の安全を考えてこの学園に入れさせたのだが、返って災いを呼び寄せてしまったようだね。本当に、すまないことをした」
妖怪の巣へ放り込んでおいて、身の安全だと?
と少し反抗的なことを考えてしまうが、俺は鬼だ。
鬼である本当の自分と向き合うきっかけをくれたのだから、感謝しなければいけないのかもしれないな。
「叔父さん、話があるんだろ?」
「...ああ。この前の鬼の件について一度会議を開いたのだが、上手く話がまとまらなくてな。お前を交えてもう一度話をしよう。ということになったのだ。」
「......」
やっぱり、そのことか。
いや、そのこと以外に何があるんだよって話なんだけどな。
「議題は3つ。1つ目、西洋の鬼をこれからどうしていくのか。2つ目、和の鬼を守るためにはどうしたらいいのか。3つ目、この学園をどうするか。まあ...この3つを議論する前に、西洋の鬼のことを説明しておこう」
叔父さんは長く伸びた髭を擦り、目を瞑った。
「これは大昔の出来事だが、西洋の鬼と和の鬼の間で、【鬼神戦争】という戦争が勃発した。それが、和と洋の争いの始まりだと言われている。攻め込んだのは、西洋の鬼。勝ち残ったのは、和の鬼だ。
破れた西洋の鬼は命辛々逃げ帰ったが、和の鬼には勝利を喜ぶ余裕さえ無かった。仲間の3分の2以上が死に絶え、暮らしていた土地は荒地と化したのだ。
それからと言うもの、復讐に駆られた西洋の鬼は、時々和の鬼を狙う様になったのだ。それは今でも続いている」
「...なんだ、それ。勝手に喧嘩吹っ掛けてきて勝手に負けて、勝手に復讐かよ」
そんな自己満足のために、阿久津と呼詠が傷つけられたって?
「笑えねえ」
静まり返った部屋の中に、俺の声が響いた。
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