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西洋の鬼 7にしおりをはさみました!
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西洋の鬼 7
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会議室を後にした俺と銀司さんは、部屋へ戻っていた。
銀司さんが言うには、鞍馬先輩は元々無口らしく、右京さんとしかまともに話さないらしい。
いや、どんなだよそれ。
右京さんすげえよ。
どうやって付き合ったのか教えてほしいくらいだよ。
なんて馬鹿なことを考えてると、銀司さんがコーヒーを持って隣に腰掛けてきた。
「ほれ」
片方の手に持ってたコーヒーを渡してくれる。
ソファが軽く軋み、コーヒーの中身が少しだけ揺れた。
「ありがとうございます」
それを受け取り、口に含む。
美味しい。
「これから、大変な事になりそうだな」
静かに呟く銀司さんは、遠くを見つめていた。
「...そうですね」
「若葉、何処にも行くなよ」
突然真剣な声になるから、驚いて一瞬止まってしまうが、ゆっくり銀司さんの方を向く。
「何処にもいきませんよ」
そう言うと銀司さんは、泣きそうな顔で、静かに笑った。
なんで
なんでそんな顔するの
まるでもう会えなくなるみたいな
そんな顔
「...銀司さんこそッ!!......何処にも行かないで。俺の側に居て」
一瞬大きな声を出してしまうが、そのまま続ける。
だって銀司さんの方が
消えてしまいそうで
側に居られなくなりそうで
「銀司さん、どうしてそんな顔してるの?」
「生まれつき俺は、この顔だよ」
そう言って馬鹿にする銀司さんの頬を、思い切りつねった。
「いたた、若葉!!」
制されても、気にしない。
コーヒーを置き、銀司さんの持っていたコーヒーもテーブルに置く。
銀司さんの頬に両手を添え、顔を覗き込む。
「銀司さん。俺、銀司さんが怪我したら狂っちゃうかも」
そう言った俺に、銀司さんは静かに口角を上げた。
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