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15にしおりをはさみました!
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15
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匠の告白と 長時間お湯に浸かってたせいで 逆上(のぼ)せそうだった俺は、『先に上がってて』という匠の言葉に素直に従った。
恥ずかしかったのもあるし…。
洗面所で匠が用意してくれた寝巻きを着て匠の部屋へ行く。もう俺の部屋は荷物置き場みたいになってて、リビング以外では ほとんど匠の部屋で過ごす。
少し小さいTVを置いて、日曜日は昼近くまで二人ベッドの上でTVを観ながらゴロゴロする時もあるし、暖かい日は二人ベランダに出て コーヒー片手に喋ったりもする。ベランダに面した匠の部屋は布団も干しやすい。俺は匠の部屋が大好きになった。
いつだったか、セミダブルのベッドでは大柄な男二人寝るの少し窮屈かな?と思って 『ベッド大きいのに買い換える?』と聞いた事がある。匠の返事は勿論『NO』だった。
俺だって本気でそう思ってた訳じゃなかった。ただ、匠の安眠の妨げになるのは嫌だった。でも匠は俺にくっついて寝た方が安眠出来るからってサラッと言ってのけた。
匠はいつも俺の欲しい言葉をくれる。
匠の部屋に入って ドライヤーを取り出す。低いタンスの上にある大きめな鏡は例のスーパーの雑貨屋で買った物だ。
『洗面所で頭乾かすの、真琴寒いだろ?』
って匠が 買ってくれた大きな鏡。クセ毛でドライヤーが必須な俺と違って、匠は今まで洗いざらしのままだった。でも今は俺の後にちゃっかり順番待ちをする。勿論、俺に乾かしてもらうため。
もののニ、三分で乾く短い髪は 毎回もっと時間が掛かればいいのに…と思う位 俺にとって大切な時間になった。
そうそう、この鏡を買う時 匠は悪そうな顔で笑ってた。ベッドの足元にある鏡は ベッドに腰掛けて使うんだけど… って事は、当然 "最中" の俺達が写るって事で…。匠が何で一番大きい鏡を選んだのか、部屋に置いて初めて気が付いた俺は 顔を真っ赤にしたものだった。
まだこの鏡に俺達が写った事は無い…
でも もうその日は近い。俺、耐えられるかな…
そんな事を考えてたら さっきよりもっと頭に血がのぼって 鼓動が激しくなる。気を反らそうと慌てて髪を乾かす。
俺、こんなに幸せでいいのかな…
あの辛かった半年間、当然だけどあの時、今のこの状況なんて想像すら出来なかった。毎日 匠が帰って来てくれるか心配して、帰って来たら来たで 匠の一挙一動に怯えて…
いつ さよならを言われるか分からなかったから…
よりが戻った後から今日までの約半年も、別の意味で辛かった。
匠が優しくしてくれる度、幸せな毎日を過ごすごとに、夜 匠を受け入れてあげられない この身体が情けなかった。匠はいつも 自分を責めるなって言ってくれてたけど、それは無理な話だった。匠は許してくれても 俺は許せなかった。
俺はずっと 匠を拒否する自分を拒否してた。
俺は多分自分で思ってたよりもずっと 傷付いていたんだ。何度覚悟を決めても土壇場でストップをかける俺の身体は 俺より俺の事を分かってた。
半年の辛い経験を昇華させるには きっと半年の時間が必用だったんだ。匙を投げず、それに付き合ってくれた匠には本当に感謝の言葉しかない…
ガチャッとドアが開いて 匠が此方を見た。鏡越しに目が合って、俺はフワッと微笑んだ。幸せ過ぎて 顔が締まらない。
それより 匠、随分早かったけど ちゃんと暖まってきたのかな?俺が居ないと相変わらずカラスの行水なんだから…。
そんな俺の心配をよそに、一直線に俺の横に来て座った匠は いつもの台詞を言う。
「真琴、俺も乾かして。」
俺は慣れた手つきで俺の頭を乾かす。
匠、気持ち良さそうに目を閉じてる。可愛い…
そうだ、忘れない内に ちゃんと感謝の気持ちを伝えなきゃ。
「匠、嬉しかった。有り難う。」
緊張して声が出ない。
絶対今の聞こえなかったよね…
もう一度 言い直そうとした時、いきなり匠に頭を引き寄せられ 唇を奪われた。
あ…、この感じ…?
強引な匠が帰って来た…!
きっと匠はこれからも俺に許可なんて取らない。
だって 俺は匠の物だから。
さっきよりも我が物顔で俺の咥内を動き回る匠の舌を 一生懸命に追い掛ける。
俺… 俺も帰って来たよ、待たせてごめん。
匠も俺の変化を感じ取ったはず。
だったら この後…、
!!!!
予想通り匠から注がれる唾液を 俺はただいまの気持ちを込めて飲み下す。
「真琴、愛してる。俺の可愛い奥さん。」
ニヤッと笑う匠の真似をして 俺も精一杯の悪い顔でニヤッと笑った。
真琴side END
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