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”12” 迷い猫 ‐1にしおりをはさみました!
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”12” 迷い猫 ‐1
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side 健
に、西日?
閉じた目の裏が、オレンジに濃く染まってて
ぱちぱち瞬いて、僕は目を開ける
……ここ、どこ?
うつ伏せを、こてんって、寝返りして、天井を見る
仰向けになった視界には、眼鏡がないからぼんやりと、お部屋の中が見えてくる
知ってるような、知らないような
……わかんないかな、もう一度、寝ちゃおうかな
はっ!
ここ、わかった、思い出した!
え?え?え?
ど、どうして、僕、ここにいるの?
もしかして、死んじゃってて、あの世で目覚めたの?
でも、どうして、ここ?
ここも、素敵な思い出、ある所だけど、あえて、ここ?
寝起きで頭が働かなくて、考えれば考えるほど、わからなくなって…く
ほら、もう、パニック起こしかけてるから、鼓動が、すごい……
はっ?
鼓動してるなら、僕、生きてるでしょ? そっか、そうだね
試しに、手足を動かしてみよう
うん、ちゃんと、動くみたい
じゃあ、起き上がって、誰かいないか、見に行ってみようか
綿毛布を払うと、隣にきれいにメイクされて未使用のベッドが見える
僕は、こんなパジャマ持ってたかな?って、ターコイズブルーに、白い水玉の前開きパジャマを着てた
向こうのベッドの先、そこのドアを開けると、もう、少しだけ踊り場のついた小さな階段の下
暖炉がある、リビングダイニングが見える
うん、やっぱり、予測どおりの場所だったね
でも……僕以外の人の気配がない
お行儀悪いけど、パジャマ姿のまま、家中を見て周り
玄関を開けて、外も見てみた
やっぱり、僕、しか、ここにいない、みたい
確か、キッチンの小窓から、駐車場の様子が覗けるんだった
よいしょって、ちょっと背伸びしないと見えないから、ちょっと頑張る
……車も何も、停まってない
ざわざわざわ
ものすごく不安な胸騒ぎがして、この世界に、僕は一人きりな気がした
どうしよう、僕、ここに、捨てられちゃったんだろうか
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