アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
悪いかよ。にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
悪いかよ。
-
俺の質問に、"何しにと言われても"と口ごもる。
その姿勢に、俺は余計苛立つ。
今にも背蹴り上げんばかりの俺を、
雪里が背広バカを擁護しながらなだめる。
2人まとめて蹴り上げたい衝動に駆られる。
険悪な雰囲気の中、
俺の背中に隠れていた奏が、恐る恐る口を開いた。
『あの・・・
りっちゃんのお父さんですか?』
ひょっこり顔を出したことと話し掛けられたことで、ようやく奏に気付いたクソ親父は、
膝を付くような形で、頭を下げだす。
『あ、はい。
律の父の、上村聖也です。
よろしくお願いします。』
親父の恭しい挨拶に、奏が慌ててその場に座り、同じように勢い良く頭を下げる。
『こ、こちらこそ、
りっちゃ・・・律さんにはお世話になってます!
あ、あのっ、申し遅れました、
ボクは、桐生奏と申しますっ、』
"よろしくお願いします"という奏の言葉は、親父の素っ頓狂な声に被り隠される。
『今、何て言いました・・・?』
"えっ?"と驚いて言葉が出ない奏に代わり、俺が言い放つ。
「"桐生奏"。
俺の同居人。」
『え・・・?
え、え?、えぇ?』
親父は、一度奏を見てから、
俺の顔と雪里の顔を交互に見る。
俺は鼻を鳴らし、雪里はこっくり頷いた。
そして再度奏を振り返る。
はにかみなが"はい"と頷く奏。
親父は、その場で固まってしまった。
"何か言ってやれよ"とばかりに、
俺は親父の腰を蹴り飛ばした。
ポタ、ポタ、と、赤い液が黄土色のフローリングに飛び散る。
『か、可愛い・・・///』
俺は、この鼻血垂らした変態の顎を、これでもかというほどに蹴り上げた。
吹っ飛ばされて下駄箱に激突する変態。
目をぐるぐるさせて慌てふためく奏。
次なる攻撃を仕掛けようとする俺を、
雪里が"どうどう"と言いながら羽交い締めにする。
俺は身動きが取れないまま、
顎と頭の痛みに悶えるバカを憐れな目で見つめてやった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
101 / 124