アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
お茶会 ルーシャ sideにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
お茶会 ルーシャ side
-
何が起きたのか分からなかった。
あの人魚が急に近づいてきたと思った時には、もう顔が目の前にあったのだ。
うわ……近くで見ると本当に綺麗だよな。
人魚は美しいと話には聞いてはいたが、今まで見た事もなかったから半信半疑だった。
初めて見た時はかなり驚いた。
話は本当だったのだと。
でも、しばらく過ごしてみれば変な奴だと思った。
あまり表情は変わらないけど、態度には出やすいんだと思う。
今日だって夢中でお菓子を食べている姿を見て、なんだか不思議な気持ちになった。
なんだ……なんとなく未知の生物を観察してるみたいっていうか、人間とよく似てて、でもやっぱり違うんだよな。
よくわからねぇけど、見てて面白いっていうか、ついじっと見てしまう事がよくあった。
顔が綺麗だからか?
まぁ確かにそれもあるかもしれない。
それに綺麗な長い銀色の髪は最近ではといてやるのがちょっと楽しみになってきている。
手触りもいいし、きらきらしてて綺麗だし。
気持ちよさそうに目をつむっているあいつを見ていると、人魚を捕獲して飼っている奴らの気持ちがちょっと分かるかもしれない。
…………って!!
何を考えてるんだ俺は!!
分かるわけないだろ、そんな危ない考え。
あ、危ねぇ……。
ハッとして瞬きを何度かすると、あいつの顔が離れていくところだった。
あれ?
今何が起きたんだ?
「ごちそうさま」
あいつはそう言ってぺろりと唇をなめると、うっすらと笑った。
やっぱり笑うと、綺麗すぎて怖いくらいの印象が一気に柔らかくなる。
あ、作り物じゃなくて生きてんだなって。
ははは、そうだよな。
生きてるよな。
だって今唇に当たった感触が柔らかかったし、すこし生ぬるかった。
唇に当たった感触が……
待て待て待て!!
「おい! 今何したんだよ!!」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
55 / 98