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激情と恐怖2にしおりをはさみました!
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激情と恐怖2
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「ぅっ……嫌だ…お願いします……ごめんなさい…ひっ、ぐ……もう…しません……」
ユーリは懇願するような声で言った。
うずくまってしまったユーリをアーサーが抱え、部屋をでてからずっと。
ずっと謝っているのだ。泣きながら。
何が原因かもわからず、ただ自分を責める姿がいじらしい。
「………お前が悪いんじゃない……すまなかった……」
「ぅぐ……ごめんなさい…叩かないで……叩かないで…ぅ……ごめ…」
アーサーの声も全くと言っていいほど耳に入っていない。
腕の中で泣きながら震えている小さな子供をどうすることもできず、とりあえず自室に連れて行くことにした。
「ユーリ……」
ベッドに降ろし、顔を覗き込むが、涙を拭う手で顔が見えない。
「っ…ごめんなさい…アーサー…さま……怒らな…で……下さ…叩かないで…下さぃ………ぅ…」
一瞬、ユーリの顔を覆う小さな手の隙間から頬が見えた。
「っ……!」
頬が真っ赤に腫れていた。
ユーリの肌が白いせいか、余計に痛々しく感じる。
(……これほど強く……叩いたのか…私は…)
子供の描いた無邪気な絵に嫉妬して
勝手な、一方的な感情で手を上げた
何をしている。
何がしたい。
何も考えずに行動をした結果がこれだ。
状況は悪くなるばかりで、ユーリの心はどんどん塞がっていく。
「…ユーリ…すまない……ユーリ……」
名前を呼んでも、反応はない。
小さな声で泣くだけだ。
「ユーリ…」
腫れていない方の頬に手を伸ばす。
ユーリの体はビクりと跳ねたが抵抗はしなかった。
涙で濡れたユーリの頬を優しく撫で、腫れている方の頬に唇を押し付ける。
「…………!?」
ユーリは驚いたのか、アーサーを見た。
そして何度も何度も唇を当てる。
ふとユーリを見ると、ユーリの大きな瞳が不思議そうにアーサーを見つめていた。
驚きで涙は止まったようだ。
「…泣くな…ほら……腹が減っただろう…?夕食にしよう。な?」
できるだけ優しく…
無意識に、壊れ物を扱うような手つきになる。
ユーリは俯いてコクリと頷いたが、何も言わなかった。
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