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桜にしおりをはさみました!
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桜
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バレンタインは
勿論 手作りだった。
聖もすごく喜んでくれた。
季節は春。
桜の季節。
まだ少し寒くて
でも昼間はポカポカして
気持ちいい陽気。
有名な桜を見に行こうってなって
聖の家から電車とバスを乗り継いで行く予定。
車が停めるとこがないみたい。
でもたくさんの屋台があるみたいで
すごく楽しみ!
その日の2日前、
聖から突然聞いた。
聖のお父さんとお母さんの仲が悪く離婚の話が出ていることを。
でもいつも行くとすごく仲良しだし
そんな感じには見えなかった。
ショックだった。
いつも仲良く話してるし
そんな雰囲気なんて
全くなかったから。
「これ、今始まったことじゃないんだ。」
無言でいるあたしに
少し声を低くして話してる聖の辛さが
すごく伝わった。
「今度 桜見に行くときに一緒に連れて行こうよ?」
「でも こないと思うよ?」
「聞くだけ聞こ?」
仲良く前みたいに戻れるんじゃないかって
ちょっとしたことでも
また前みたいな関係に戻るんじゃないかって
そう思った。
当日。
すっごく 気持ちいいお花見日和!
聖のうちの玄関前にはハスキーがいる。
ロッキーって名前で目の色が違って
ほんと可愛いの。
ロッキーと遊んでたら聖のお母さんが嬉しそうにおはよって挨拶しに来た。
「おはよーございます!」
なかなか言い出せない聖にツンツンして
目で合図した。
「優ちゃん達桜みにいくんだって?」
「はい!」
「これあんまりないけど何か美味しいもんでも食べといで!」
「でも、、、。」
「おばさん こんな事しか出来ないし。」
「一緒におじさん連れて4人でいかないかなぁーって思って。皆と行くと楽しいし!」
しばらく間があったけど
おばさんは
「いいのいいの!2人で行っといで〜!でもそう言ってもらえてほんと嬉しい!」
って。
結局 一緒には行けなかった。
お土産 買ってくるねー!って
おばさん すごく嬉しそうだった!
ほんとに仲悪いなんて
信じられなかった。
いつもは電車とかバスなんて乗らないのに
今日は変な感じ 笑
30分くらいで着いて
目の前には
綺麗な桜と
菜の花で色鮮やかでほんとに綺麗。
ピンクと黄色ってこんなに綺麗なんだって
その一面の景色に吸い込まれそうなくらいだった!
屋台も沢山あって
ほんと楽しかった!
シルバーの指輪が売ってて
なんかすごく安かったけど買ってくれた!
おばさん達にもお土産買ったりして
すごく満喫出来たお花見だった。
聖のうちに帰って
お土産渡すとおばさんとおじさんは
2人並んですごく幸せそうだった。
いつか
絶対前に戻ってくれると信じて。
あたしはそう願った。
「久しぶりにあんな二人見た。
いつもは口も聞かないし話もしたのあんま見ないしさ。」
「でも凄く仲よさそうだったよ?」
「毎日これだといぃんだけどねぇ」
強そうな聖の背中が
小さく見えた。
どうにかしたいけど夫婦の問題は
他人のあたしには何も出来ない。
聖にだって何かできるわけでもないんだから。
でも
今日聖の両親が言ってくれた言葉が嬉しかった。
”娘が出来たみたいでほんとに嬉しい”
そう言われて
照れながらにこって笑った。
きっとうちはお姉ちゃんとあたしの2人姉妹の様に
あたしのお父さんも男の子が欲しかったのかな?って思ったりもした。
桜って
あっという間に散っちゃうけど
でも
すごく綺麗で毎年桜を待ってる自分もいるんだもんなぁ。
また来年、聖と来たいな!
その時は聖の両親も今度は一緒に!
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