アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
2ー08にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
2ー08
-
突然控えめな問い掛けが自分より低い視点から聞こえてきて、驚いて見ればクリクリとした大きい瞳の綺麗な長い黒髪の女の子が俺の顔を覗き込んでいた。
その子は恥ずかしそうに目を泳がせながら俺に来場者用の場内マップを見せて、おもむろに一部に指を差した。
「実はこの辺りのアトラクションの場所が分からなくて…ご存知でしょうか」
「…あ、ああ、そこならさっき行きましたよ」
「本当ですか!」
そう言うと嬉しそうに微笑まれ、俺もぎこちなく笑顔を返す。
母さん以外の女性と話すのは久しぶりだったから緊張したけど、どうやら道に迷っていたみたいだ。
するとその子の友達らしい2人の女の子が後からやって来た。
「良かったー!私達、この地図の見方がイマイチよく分からなくて困ってたんですよー!」
「もし良ければ、案内して頂く事って出来ますか?」
後の二人は何故か瞳を輝かせて上目遣いで俺に迫り、思わず後ずさる。
そういうのは従業員に聞いた方が早いんじゃ…まぁ分かると言ってしまった手前、このまま断るのも失礼な気がして了承しようとした瞬間。
「…いつまで待たせる気だ」
「ぅお!透也さん?!」
いつの間に俺の背後に来ていたのか、妙に不機嫌そうな透也さんが眉間の皺を深めて見下ろす。
そして女の子達に視線を向けると、突然俺の腕を強めに掴んで引き離し…その子達に向かってハッキリと告げた。
「悪いが、他を当たってくれ」
「え?ちょ…!」
それだけ言うと無理やり俺の腕を引き歩き出した。
いきなりの事でワケが分からない俺を呆然と見送る女の子達は呆気に取られ、透也さんに反論も出来ずそのまま顔を見合わせるだけだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 68