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1ー2にしおりをはさみました!
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1ー2
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ただ、泣いていた。泣いていたんだよ…。
笑顔が素敵な母様が、僕を見て。
それが、何だか、無性に悲しかった。
「知らないんだ。母様は…母様は…僕を嫌いになったのかな?」
嫌いになったから、捨てたのかな?
「はぁぁ…私とした事が。子供に声を掛けるなんて、どうかしてますね」
「…」
「名を言いなさい」
「ハヅキ…」
男は僕の名前を聞いてきた。
「フルネームで、お願いします…」
目の前に現れた古い本は勝手に開いていく。
お目に掛かるのは初めてだけど、間違いでなければ、僕の瞳に映る本は“真実の本”だったりするのだろうか。
嘘を付いたら、過去に犯した前科が暴かれるという話を聞かされた。
「ハヅキ・ペリドット・マルソ…」
「マルソ?まさか…」
「母様の名前は、ウリエル。ウリエル・ラリー・マルソ…」
「ー…来なさい」
急に手を握られた。僕は思わず、目を大きく開く。
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