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2ページ目 20 弟sideにしおりをはさみました!
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2ページ目 20 弟side
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ぎゅっと抱きしめると強張らせていた力をふっと抜いて俺に身体を預けてきた。
「怖かった?」
「ん…。」
ビクッと大袈裟に身体を強張らせてガタガタ身体を震わせながら本気で拒絶していた。
声が震えていた。
さぞ怖かったのだろう。心細かったのだろう。
答える代わりに俺に擦り寄ってきた。いつもなら絶対にこんなことしないのに。
俺が出掛ける間、俺のことだけを考えていてほしかった。
怖がらせるつもりはなかった。
「ごめんね。」
背中に回した手に力を込めた。
兄貴の震えが治まるのを待って立ち上がろうとすると、兄貴の手がぎゅっと服の裾を掴んだ。
「どこ行くの?」
兄貴が泣きそうな子供みたいに弱々しい声を上げる。
「別にどこも行かないけど。」
「行かないで啓太!」
どこも行かないって言ってるのに、裾を掴む手は小さく震えていた。
「電気付けるだけだよ。」
そういうとようやく手を離してくれた。
縛められた手を空中に彷徨わせて不安げにきょろきょろする姿は可愛くて堪らない。
こんなことをしなくても、いつでも俺だけを求めてくれればいいのに。
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