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家族の意味にしおりをはさみました!
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家族の意味
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うぅ…
頭は起きたけど目が開かない状態です。
寝違えて首も痛いし…
「んーーーっ」
ぐぅっと体を伸ばしてから目を擦ってから開いた。
あー、なんか寝すぎたのかな?だるい…
少しばかりぼーっとしてたら誰かが僕に近付いてくる音が聞こえた。
「おはよう」
あ、
それは僕が良く知ってる声だった…
僕が大嫌いで…
でも大好きな声…
「俊介…さん?」
「うん」
優しい声で、優しい手付きで僕の頭を撫でてくれた。
あ、伊藤さんがしてくれた時と違う…
あの時はただただ暖かくて…落ち着くような感じだったけど
俊介さんのは、同じく暖かくて、でもドキドキしすぎて胸がギュッと苦しくなる。
でも嫌…じゃない。
「いつ帰ってきたの?」
「今さっき」
うぅ…僕のせいで俊介さんは違う所に泊まらないといけなくなったんだよね?
「ごめんなさい。倒れちゃったりして」
謝ったら撫でている手が止まり俊介さんの顔が僕の顔に近付いてきて
「謝らないといけないのは俺の方だよ…いままでごめんな?」
そう言って僕の額にキスを落とした。
ああ、どうしよう
俊介さんの切なげな顔と優しい声で僕の心がかき混ぜられるようにいろな感情が湧いてきた。
苦しかったよ…辛かった…寂しかった…
でも…
愛しいとも思った…
嬉しかったりもした…
言いたい事がたくさんあるのに涙を流す事しかできなくて…
そんな僕を優しい眼差しで見つめギュッと抱き寄せてくれた。
俊介さんの匂いだ…
「お帰りなさい」
「ああ、ただいま、柚月」
こんな幸せを感じたのはいつぶりだろう。
僕はしばらく俊介さんの胸に頭をぐりぐりと引っ付けて離れなかった。
俊介さんの気がいつ変わるかわかんないから今の内存分に俊介さんを感じていないと。
セックス以外の触れ合いなんて初めてに近いからもっともっと俊介さんにくっ付きたくて脚も俊介さんの体に絡めた。
「柚月の甘えたはそのままなんだな」
「そのまま?」
「うん、お前がまだ子供ん時も俺にべったりだった。俺、そんなに懐かれるような事したっけ?」
そうだったんだ…
僕の記憶には無いけど、俊介さんは僕の過去も全部知ってるんだね。
ふふ、
過去も全部俊介さんの物になった気分で嬉しい。
「僕は昔から俊介さんが大好きだったんだね」
「覚えてないの?」
「うん…記憶がね…あんまりないんだ」
そう言うと俊介さんは苦しそうな顔をしながら僕をさっきより強く抱き締めた。
そんな顔をしなくてもいいのに…
「違うんだ…昔の事を覚えてなくても、今俊介さんの側に居られるから大丈夫だよ?」
「そっか…柚月…ごめんな…本当にごめん。俺を許してくれるか?」
そんなの…
「当たり前じゃん!許すもん!僕には俊介さんしか居ないし、俊介さんしか要らないもん…大好き…だから…」
「ありがと…おれも大好きだよ、柚月」
「うん…うん…」
そうやっていつの間には僕はまた眠ってしまった。
次起きたのは…あれから30分した頃で、僕の隣に横になってる俊介さんが笑いながら
「お前寝すぎだろ。飯食うぞ〜」
と僕を抱き上げダイニングまで運ばれていった。
そんな僕等を見た伊藤さんが複雑な顔で
「君たち、仲良しさんだね〜」
ってまたヘラヘラしていた。
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