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朝のあの緊張と覚悟は一体なんだったのー?
駆け落ちなんて盛り上がっちゃったけど。
拍子抜けしちゃったよ。
父さんはずーっとにこにこ笑って、古橋さんのことを見ていて。
よかったー…。これで、俺と古橋さんは親公認のカップルだね。
まるでフィアンセじゃん。
「悠真」
妄想でにやけている俺に、父さんが改まって呼びかけた。
急に表情から笑みを消した。
真剣な眼差しで父さんが俺に伝える。
「古橋は大事な俺の部下だから。幸薄いんだ、こいつ。だから…お前がたくさん幸せにしてあげなさい」
古橋さんがビクッと身体を震わせる。
父さん、いつもにこにこ笑ってばかりだから。
真面目な顔で俺に話すことってあんまりなくて。
「うん。任せて。俺が古橋さんを幸せにする。世界一、幸せにする」
こんな真摯な気持ちで何かを決意するって、生まれて初めて。
初体験、また増えちゃった。
初めてのハッテン場で、初めてのエッチ、キス。初めての恋人。初めて将来を誓って、幸せにすると決めた人。
「課長…それ、普通俺が言う台詞ですよね?なんで高校生の悠真がそんなこと…」
完全にお株を奪われてしまった古橋さんは、ひたすら恐縮して苦笑いを浮かべていた。
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