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side一期一振にしおりをはさみました!
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side一期一振
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人として出来ることを全てやってみたい。
食欲、睡眠欲、性欲それが人間の基本欲求。
そう言った彼から導き出される答えに辿り着くのは簡単だった。
私が特別察しが良いわけではなく、伽に関する知識さえあれば、誰にでも出来るのだろう。
それが好いた相手の望むことなら。
私の望みを昨日叶えてくれた相手の望みなら、私が拒む理由はなかった。
腕を引かれ、体勢を崩した私を器用に抱きとめ、鶴丸殿は唇を寄せた。
それに合わせて、思わず瞼を閉じてしまう。
こんなことをしては、もう言い逃れ出来ないのにと頭の片隅で思いながら、それでもいいと抱き寄せられた身体をより近づけ、受け入れた。
昨日の触れるだけですぐに終わってしまうような口付けではなく、ゆっくりとした動作で、じんわりと唇に柔らかな感触が広がっていく。
昨日よりも幾分か冷たい温度に感じてしまうのは、雨のせいなのか。
その温度も心地よかった。
同じように何度か、唇を重ねあわせて感触を感じあったところで、不意に鶴丸殿の唇が離れていった。
「鶴丸殿・・・?」
閉じていた瞼を開くと、鶴丸殿の表情が視界に入った。
「一期、もう少し口開けるか?」
優しい口調とは反対に、拒否を許さないとでも言いたげな、全てを射抜くような鋭い視線。
言われたとおり、わずかばかり口を開く。
間髪いれずに「もっとだ」と短い声が聞こえたかと思うと、私の反応を待つことなく、顎を支えていた右手の親指がぐっとねじ込まれる。
「んぅ・・・っ」
そのまま、ゆっくりと唇を重ねられ、指はすぐに引き抜かれたが、代わりに舌が口内に侵入してくる。
唇だけの時とは違った、熱をもった独特の弾力をもった感触。
口の端から漏れる荒い息と、飲み干しきれないお互いの唾液が、ぱたたっと召物に落ちていく音も。
与えられる刺激の分だけ、自分の理性が食い尽くされていくような気がした。
気持ちいい。
そう思ってしまったら、最後。
気付けば自分から強請るように、舌を絡め、それでも繋がり足りなくて、指を絡め、腕を背に回していた。
それに応えて鶴丸殿が、私を強く抱きとめてくれるのが嬉しかった。
夢中で口を吸っていると、不意に身体を押され、唇が離される。
「鶴丸殿・・・?」
「続き、するかい?」
鶴丸殿の表情は、少し困ったような笑みだった。
私はこの人を困らせてしまったのだろうか。
でも。
それでも・・・。
私に出来るのはその問いに頷くしかなかった。
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