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side一期一振にしおりをはさみました!
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side一期一振
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初めてのときは、ただひたすら混乱していた。
自分の身体に落とされる刺激一つ一つに耐えるしかなくて、必死に鶴丸殿の背中にしがみついていたことを覚えている。
唇を噛み締めると、自身の指を差し出し強引に咥えさせてきた。
おかげで、事が終わった時には、鶴丸殿の方が傷だらけになっていた。
2度目、3度目と回数を重ねるごとに、私への負担は軽くなっていくのを感じた。
自分の身体を抱く相手の様子を少しだけ気にかける余裕も出てきた。
「私の身体、気持ちいいですか?」
と尋ねてみれば「無闇に煽るもんじゃない」とお叱りを受けた。
繋がることは好きだった。
鶴丸殿の熱を全身で感じられる。
少しでも映りたいと思っていた彼の視界に自分がいて、それを近くで見つめられる。
幸せだった。
次第に変化していく自分の身体の感覚には戸惑ってばかり。
最初は自分の淫乱さに自分自身で驚いていた。
今は、愛想が尽きるほどだ。
けれど、それが鶴丸殿によって変えられていくものだと思えば心地よく受け入れられた。
幸せと同時に訪れる辛さには目を背けていた。
鶴丸殿が私の気持ちを受け入れて下さっている。
それ以上を望むべきでないことは分かっていたから。
人の姿で出来ることを全部やりたいと彼は言った。
おそらく、彼はそれを実行しているだけで、私への気持ちなどまるでない。
身体を繋げれば繋げるほどに、それを強く感じた。
優しく抱いて下さるのに、そう思わずには居られなかった。
きっと、興味を失ったら鶴丸殿は私になど見向きもせず放り出されるのだろう。
その考えがどうしても拭い切れなかった。
せめて、放り出された時に、この身体が疼くことの無いようにしなくては。
鶴丸殿にとって、私が面倒な存在にならぬようにせねば。
最初に私の気持ちを優先して貰ったのだ。
最後は彼の気持ちを優先すべきなのだ。
本当にそんな事出来るのだろうか。
それを考えるとどうにも息苦しくて、いつも答えが出せないまま、頭の隅に押しやった。
せめて、彼が飽きる日が遠くでありますよう、願うしかなかった。
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