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①ー04にしおりをはさみました!
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①ー04
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するとこのお店の雰囲気とは合わない女の子三人組が店長を見るや店内に入ってきて、接客中の彼に無遠慮に声を掛けてきた。
「ザクロさん、今日もかっこいいね!この後ウチらと遊ぼうよー」
この人……ザクロって名前なのか。
見た目だけじゃなくて、名前まで日本人なのか外人なのか判別しにくいな。
そして店長、ザクロは接客していたお客さんを他の店員に交代して貰い、改めて三人組に向き直った。
「君達また来たの。当店の商品を購入して頂けるなら、考えても良いよ」
「えーだってココのお店高いのばっかじゃーん。一度位良いでしょー?」
「ね、おねがーい!」
この人達、他の客が迷惑そうに見てる事が分からないんだろうか。
そんな三人組に、ザクロは溜め息混じりで薄く微笑む。
「お客様で無いならお帰り下さい。それに今日は予定が入ってるからどっちにしてもダメだけどね」
「えー」
「そんな固い事言わないでよー」
「レディのお誘い断るなんてイメージ良くないと思いますけどー?」
断られた女の子達は不満げだ。
まぁこんな失礼な人達、普通に断るよな。
というか彼女居るんだからハッキリ断れば良いのに。
すると他の女性店員がザクロと、中々退こうとしない女の子達に近付いてきた。
「お言葉ですが店長、昨日彼女が出来たと仰っていませんでした?」
「ああ、朝別れたよ」
え。
別れたって、経った1日で?
その時、独り言のように言っていた最速記録という単語を思い出した。
最速って………そう言う意味だったのか。
すると三人組の一人がわざとらしい声を上げてザクロにすり寄った。
「えー!ザクロさんみたいなイケメンと付き合えて速攻別れるなんて信じられなーい!」
「じゃあ君がオレと付き合う?すぐ別れると思うけど」
「何で言い切れるんですかー?」
「オレは欲求不満だから、君の身体が保たないよ」
「あはははは!やだーザクロさんったら!」
「じゃあ私、セフレにしてもらおうかなー」
「ちょっと!失礼でしょー」
キャハハハと笑う三人組に、ザクロも小さく笑い返した。
だけどその笑顔には心が無いというか、異様に冷たい印象を受けて。
……なんか、とても苛ついてる?
まぁ、嫌だよな。
だって彼女達はこの人の外面しか見てないわけだし……まぁ、俺もだけど。
もしかして…この人なりにも、色々あるのかな。
ただの遊び人かと思ってたけど、どうやらそれだけでは無さそうなこの人の事が気になってしまい、そのまま俺は就業時間まで黙ってザクロの仕事ぶりを見守っていた。
*********
そして夜更け。
仕事を終えたザクロは、朝見かけた自宅であろうマンションのエレベーターに乗り、8階で降りて角の一室をオートロック式の鍵で開き中に入っていく。
今日は予定あるって言ってたのに、どこにも寄らずに真っ直ぐ家に帰ってきたけど…着替えて出直すとか?
そのまま深く考えずに後を付いて中に入ると、ドアの鍵が後ろで閉められた。
その間に勝手に先に上がってフローリングの短い廊下を歩き中を散策すると、結構綺麗にされてて無駄なモノが置かれてない。
黒系の家具で統一されたシックな部屋で、うん…なんかスゴいこの人っぽい雰囲気だ。
寝室を見つけて中に入るとまたまた黒のダブルベッドがあり、何となく座ると柔らかい弾力があってつい寝転んでしまう。
いつもこんなベッドで寝てるのか、羨ましいなーなんて呑気に考えていた俺の思考は、後ろから聞こえたある一言で凍り付く。
「ところで…君はいつまでオレに付きまとうつもりなのかな」
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