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18歳以上ですか?
166にしおりをはさみました!
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166
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それから数年後、10歳になった春人は相変わらず施設で暮らしていた
春人
「ただいまです」
村に1つだけある小学校から低学年の子と手を繋いで施設へ帰ってくると
広場で遊んでいる子供達が一斉に「はるにぃだ!!」とはしゃいで
春人へ駆け寄った
「おかえり!はるにぃも鬼ごっこやろう!!」
「やろうやろう!」
「えぇ?!ずるいっ!はるにぃは私たちとおままごとするの!!」
「はるにぃ、かくれんぼしよ〜!」
一気に言い出した子供達に春人は少し笑う
春人
「遊ぶのもいいけど、俺はみんなと一緒にオヤツが食べたいな」
そう案を出すとみんながキラキラした目で春人を見て、「そうするー!」と答えて
春人を押しながら一緒に施設の中へ入っていった。
この数年で春人が変わった事が2つある。
1つ目はオヤツの時間だけだが、誰かと一緒にいても食べれるようになった事。
コレが出来るようになったのも最近で施設の子供達は凄く喜んだのも記憶に新しい
しかし相変わらず朝昼夜のご飯の時はダメでいつも自分の部屋で食べている。
そして2つ目が。
愛佳
「あらあら、おかえりなさい。皆んな」
「「「ただいまー!」」」
施設の玄関に行くとエプロン姿の愛佳と遭遇した。愛佳も皆んなにオヤツの時間を知らせに行こうとしていたのだろう
愛佳は春人が子供達に囲まれている姿を見て微笑んだ
愛佳
「相変わらずモテモテね。春人は」
春人
「羨ましいですか?母さん」
愛佳
「ふふ、そうね。みんなが羨ましいわ」
そう、2つ目の変化は、春人がヒヅキと愛佳の事を本当の親のように接するようになった事
初めて「父さん、母さん」と呼んだ時は2人とも号泣しながら春人に抱きついた。
愛佳
「ほらほら、みんな。オヤツ食べる前に何をしなきゃいけないのかしら?」
「手洗いー!」
「うがいー!」
愛佳の質問に子供達は手を上げながら元気よく答える。
愛佳
「正解!じゃあみんな、洗面所に行ってらっしゃい」
そう愛佳が言うとみんな返事をして靴を脱ぎちゃんと壁にある靴箱に直して洗面所に向かった。
春人
「みんなちゃんと靴を直して偉いですよね」
愛佳
「ふふ、みんな春人の事が大好きだから春人の言う事は聞くのよ」
春人
「え、いえ、俺は何も…」
愛佳
「もちろん、私とあの人も子供達に負けないくらい春人の事が大好きだけどね」
さらっと笑顔で言う愛佳に春人は顔を赤くしながらお礼を言う
そして靴を脱ごうとした時に施設のチャイムが鳴り響いた。
それが、春人の幸せな生活の終わりを知らせる合図となった
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