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『父さん、誰だよその女の人』
夜、家に帰ってきた父さんは
若くて、綺麗な女の人を連れていた。
『暁、母さんはお前が守ってやれ。父さんはもう限界だ』
『なんだよそれどういう…!』
俺の言葉を最後まで聞かずに
父さんは家から出て行った。
次の日、俺は病院へ行った。
この事を母さんに伝えるために。
『…そう』
母さんは一言だけ、そう言った。
俺が病室を出ると、母さんのすすり泣く声が聞こえた。
何も言ってやれない、してやれない自分を殺したかった。
しかし、死ぬ勇気などない。
あるはずもないし、持ち合わせてもいない。
俺は家にあった安全ピンを、耳に刺した。
いっぱいいっぱい…片耳で6個開けてやった。
両耳で12個…痛さなんて感じなかった。
感じていたとしても、それは母さんの心の痛みより、もっと楽なものだろう。
俺は少しでも自信をつけたかった。
自分が自分であるために、意味のないことをしたかった。
…いや、自分とは違う人物になりたかったのかもしれない。
髪を染めた。黒から赤へ。
母さんは褒めてくれた。
とても綺麗な赤ね。…と。
『君、こんな時間まで何してるんだい?』
眼鏡をかけた、サラリーマン風の男が声をかけてきた。
『バイト探してる』
『ならいいバイトがあるよ』
嬉しかった。優しく微笑む男の人が
とてもいい人に見えた。
でも、そのバイトはとても良いと言えるバイトではなかった。
『誰だよお前ら…!離せよ!』
変なおっさん達が俺の体にベタベタ触る。
気持ち悪い。見るな…触るな。
『ぁ…ゔ…』
ぐちゃぐちゃにヤられた後
大量の金を置いていった。
俺はこのバイトを続けるため、
体を慣らすために、たくさん客を取った。
時に変な奴もいた。痛い思いをしたこともあった。
けど、それが母さんの為になるのなら
それは苦じゃない。
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