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18歳以上ですか?
駿にしおりをはさみました!
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駿
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ピンポーンと、軽快な音がなり、梓(あずさ)は駆け出した。
乱暴に扉を開け、目の前の身体にダイブする。
「梓、お前、いつもインターホン出ろって言ってるだろ。」
呆れたような声でいい、駿(しゅん)は梓の髪を混ぜる。
「駿、おかえり」
「ただいま」
笑い合いながら、唇が触れ合う。
少し日焼けした首に腕を絡ませて、
「寂しかった?」
梓は内緒話をするように囁く。
「当たり前だろ」
「ふふ」
靴を脱いだ駿はその場に荷物を置く。梓は駿に飛びつき、久々に宙に浮く感覚を味わった。
「ね、いつぶりだと思う?」
梓が駿の釦を外しながら聞く。
軽い身体をしっかりと持ち上げながら、駿は首を傾げて、
「…最後にあったのが5月だから…3ヶ月?」
ゆらゆらと揺れる身体に、梓はくすくすと笑う。リビングに来たところで駿は耐えきれなくなったのか、一度壁に押しつけると、深いキスを仕掛けた。
「せいかい」
そう言って梓は、「ねえ、駿、みて」。月明かりに照らされたリビングでゆっくりとTシャツを脱ぎ、そして下衣に手をかける。
まずは、釦。
次にジジジ、と音を立ててチャックが開く。
パサリとスラックスが床に落ち、白く美しい梓の脚が姿をあらわした。
「俺のこれ、もうこんなんなの」
下着越しにでもわかる、勃ち上がったペニスを指差して梓は笑う。
そうしてまたゆっくりと、見せつけるような仕草で下着を脱ぐと、つまんだそれを床に落とす。
「触って、駿。俺、もうこれ以上待ってらんないよ」
2人はもつれ合うようにしてベッドへと倒れこんだ。性急な仕草で梓は駿の衣服を脱がすと、脚を広げる。
梓の全てを知り尽くした駿に梓は翻弄され、2度も達してしまう。
「あっ…ぁあっ…だめ、駿っ…!!」
抜き差しするたびに溢れる粘液は繰り返された行為の数を雄弁に物語る。
重なった肌と肌から聞こえるぱんぱんという音は最早湿り気を帯び、より一層卑猥な音に成長していた。
「あ、ぁあぁ、ああ―・・・」
久々の行為は、嵐のように激しく過ぎ去った。
朝起きると、駿の隣に梓はいなかった。
ふんわりと漂うコーヒーの香りは駿をキッチンへと誘う。梓がコーヒーを淹れながら、ゆっくりと微笑む。
「おはよう」
「おはよう」
寝巻きのまま、後ろから覆い被さるようにぴたりと身体をくっつける。
「心臓って、300グラムくらいなんだって」
唐突に梓が言う。
「…軽いな」
梓はしばらく黙ってコーヒーを淹れていた。
けれどぱたりと手を止めると、
「……こんなに重くて、苦しいのにね」
と、言う。その声が少し震えていた気がして、駿はより強く梓を抱きしめる。
「次、いつ会える?」
3ヶ月に1回だと決めたのは、駿とその妻だった。梓は知らない。知らずに、ただ漂って、ひたすらに駿を待っている。
「咲(さき)さんに聞いてみるよ」
とうとう震えだした肩は華奢で、いつも駿は梓を抱く度に壊してしまうのではないかと怖くなった。
梓が啜り泣きながら、小さく呟いた。
「愛してるんだ、父さん」
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