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銅色の章14にしおりをはさみました!
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銅色の章14
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「ねぇ、こっち見て。怖くないわ。和也は特別なの。私に選ばれたんだから。」
和也は恐る恐るカイリを見た。Tシャツを切り裂かれて全裸になってしまい、床にしゃがみ込んでいる。なんとか股間を見せまいとする羞恥心があったからだ。視線はどうしてもカイリの手の中の大きな裁ちばさみに集中してしまう。いつ、それを振りかざして襲ってくるとも限らない。
和也の視線がハサミに注がれているのを知ると、ああなるほどね、とカイリは裁ちばさみを棚に戻した。代わりに髭剃りのような物を持って戻ってきた。
「さ、和也。ご飯の前にスッキリしましょう?トイレ我慢してたでしょう?お漏らし寸前じゃない?」
「…っ」
カイリは和也の側に食料や飲料を置いて行った。
よく見る有名コンビニの袋に入った、中身も同社のパン数種類に適当に選んだらしいペットボトルの飲料3本。
和也は最初、警戒して何も口にしなかった。けれど空腹に耐えられずそれらを口にした。幸い毒や変な薬物などは入っていなかったが、特に水分に関しては我慢出来ないものなのだと身に染みて分かった。
お漏らし、という言葉が恥ずかしくてたまらない。
カイリの言う通りずっとトイレを我慢していた。
トイレまではどうやっても鎖が届かない。カイリの留守中に何度か鎖を切ろうと頑張ったがビクともせず、体力だけを消耗した。
「さ、立って。」
和也はノロノロと立ち上がった。成長期の未発達な身体がさらけ出されたが、カイリは和也の身体に関心を見せない。てっきり、頭のおかしな痴女だと思っていた和也は、特にリアクションが無くて逆に混乱する。カイリは首から繋がる鎖を持って背後にまわった。壁から鎖が外される音が聞こえる。
今。今なら。
武器は無いけど、全力で立ち向かえば女に勝てるかもしれない。男と女では筋肉の量も運動能力も違うし、何よりあのハサミはもう棚の上だ。10数えたら振り向きざまに女に体当たりを食らわして…にぃちゃんのとこに戻る。
10…、9…、8…、7…
ヂヂヂヂヂヂッ
耳の横で夜のネオンが発するような電気音。
青白い小さな稲妻が和也の頬を照らした。
カイリが持って戻った髭剃りのようなものの正体が分かった。
和也は硬直し、カイリは話した。
「これはスタンガン。和也はまだここに慣れていないでしょう?だから、もしママの言うことを聞かなかった時にはお仕置きするからね?もちろん、コレを使うのは悪い事をした時だけだから安心してね。あまり使いたく無いの。ここに連れて来た時に使っちゃったけど、ほら、火傷になっちゃうから。」
そう言ってカイリが触れてきた場所には知らぬ間に軟膏が塗られていた。
和也はスタンガンの痛みとショックとを自分が経験済だと思い出した。
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