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18歳以上ですか?
5にしおりをはさみました!
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「はぁ。飯嶋明仁ですが。」何か? と続きそうな答えを返せば苦虫を噛みつぶしたような顔をされた。
根暗チビって・・・根暗は仕方ないかもしれないが身長はそれなりにあるぞ・・・
猫背でわかりにくかったかもしれないが、それでも倉原よりはあっただろ。
「なにそれ、今更高校デビューのつもり?」会計が馬鹿にしたように笑う。
「髪型変えた程度で高校デビュー出来るんなら安いもんだな。」
思わず返してしまった言葉。返ってくると思ってなかったのか会計が間抜けな顔をした後すぐに睨んでくる。
なんかこいつらに敬語使うのめんどくなってきた。敬う気持ち一切無いからタメ口でいいか。
早く自分の仕事終わらせて帰りたい。
2、3言発言しただけでこのギスギスした空気、構わないのが吉ってことで視線を無視して自分の席へ着く。
机の上には書類の束(っていうか塔?)明らかに補佐の仕事じゃないものも多い。
補佐としてここに来た当初はただ邪魔者扱いだったのだが学年次席の学力を持つ俺はすぐに使えると思われたのか、
すぐに邪魔者からパシリや仕事処理機にカテゴライズされた。
仕事をしている時だけは暴言はあれど手を出してくることはない。
倉原が居る手前手が出せないだけかもしれないが・・・
今日もさっさと終わらせて退散しよう。提出の迫ったものから片付けようと書類に手を伸ばした瞬間
書類の塔が消えた
いや、
バサバサバサという音と共に床へ落ちていく
手を伸ばした先、その手が書類に触れる前に
机の前まで来ていた倉原が書類を机から手でなぎ払ったのだ
「・・・なにしてんの。」
目の前の倉原に尋ねれば
「詩音がお茶にするって言ってるだろ!!!なんでソファーに座んないんだよ!!無視すんなよ最低だ!!!」
顔を真っ赤にさせて怒鳴る倉原。
その後ろでは副会長が「天音、僕のためにっ!」と頬を染め感動している。
「無視はしてない。俺はさっさと仕事終わらせて帰りてーの、つーか書類どーすんのこれ拾うの俺だよね。」
はーっ、よっこいせ。溜息を吐きオッサンくさい掛け声と共に立ち上がり机の前に回り、床に落ちた書類を拾い始める。
「明仁が無視するのが悪いんだ!!!俺より仕事が大事なのかよ!!!」
なんだその仕事人間な夫に迫る妻みたいなセリフは・・・
「じゃあ聞くけど、お前はここに何しに来てるわけ?お茶とかお喋りとか勝手にやっててもいいから邪魔だけはして欲しくないんだけど・・・」
生徒会なんだから仕事しろっつったのはお前だろ。
「ねぇ、ちょっと小奇麗になったからって調子のりすぎじゃない?」
「天音の好意を無下にし、暴言まで吐くなんて許せませんね。」
倉原が何も言わず目に涙を溜めると、会計と庶務が俺と倉原の間に立って口を挟んでくる。
その後ろでは副会長と書記に頭を撫でられ慰められてる倉原。
「・・・仮眠室、借りるわ。」
大きな溜息を吐き、期限の迫った書類とノーパソだけ持って仮眠室に入る。
仮眠室は防音だし中から鍵がかけられるようになっているからここより作業は進むだろう。
生徒会室から持ち出せないことになってる書類もここならセーフのはずだ。
仮眠室に入って5分ほどはドアを蹴るような衝撃音が聞こえていたが無視し続けたらその内静かになった。
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