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蜂の死骸と不死身の言葉。にしおりをはさみました!
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蜂の死骸と不死身の言葉。
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「………………死は悲しみでしかない、…………」
いまだアスファルトに座りながら一人、暗闇の中の電灯の光を薄目でボー…っと眺めながらそう呟いてみた。
……なんだか色は違えど、この電灯の光を見てるとこの前の誘蛾灯に誘われる蛾の気持ちになったようだった。
…………都はどんな気持ちであの言葉を発したのだろう、…………
俺は今、生物の虚しさと、…それから言葉への恐怖で………… 今まで感じたことのないような恐ろしいほど透明な暗闇に引き落とされていきそうな気分だ。
………恐怖、………………?
……あぁ、そうだな、……そうかこういうのを恐怖っていうんだ、……
言葉に対しての恐怖、…………
……あぁ、…。今まで恐怖と名付けてきた感情の中で、この"言葉"への感情が他のどの感情より恐怖という名前がピッタリだ、……
…………あぁ、ばかみてぇ……
言葉への苦手意識を克服しろ、と立川さんからもしきりに言われていたのに、より一層言葉を苦手になってどうするんだっつーー……の、。笑
…………このままじゃ克服どころか、俺まで喋れなくなりそうだ、………って、…………
……………………、あ、。
………………もしかして、都が喋れないのって、…これ原因、?
……喋らない"フリ"なんじゃなくて、…言葉が怖くて話すことができない…………とか、?
え、…………うわうわうわうわ、……
なんだか不意にそう分かった瞬間に自分のなかでゾワゾワと急に鳥肌が立ち始めて、
「………………うわ、……まじか、…………」
俺はそう自分の耳にさえ届かないくらい小さく呟きながら、力が抜けるようにそのアスファルトにへなへな……と寝っ転がった。(※良い子は真似しないでね)
本人に聞いたわけでもねぇしそれは一切確信の持てない事だったけど、……なぜだか"絶対そうだ"という自信が俺の中にはあって、。
うわぁ〜〜〜〜…………
"言葉への恐怖"
そんな事にまであいつに共通点だと感じてしまった事に、なんとも言えない気分になって、
さっきまであんなにイライラしていた都への怒りなど、その感情の前ではすっかり忘れ去られていたのだった。
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