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ゼロはいつも夢うつつにしおりをはさみました!
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ゼロはいつも夢うつつ
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夢を見た。
僕は白い部屋で女の人に絵本をよみきかせして貰っていた。
『見て。 神社にはユキツネさんがいるんだよ』
彼女は絵本の中のキツネを指差して微笑んだ。
『ユキツネさんはねぇ、真っ白なの。……私もまた会えたらいいのに』
なんでそんなことを言うのか、分からなかった。
まだ彼女は若い。
いくらでも会えると思うけど……
何か事情があるのか。
そうか。
ふっと、周りの景色が変わった。
黒い部屋。
自分の姿さえ滲んで溶ける様な深い黒に包まれて、僕は立ちすくんだまま何もできなかった。
しばらくして、人の姿なんて全く見えないというのにヒソヒソと喋り声が聞こえてきた。
『捨てられたんだって』『名前が零なんだってよ』『汚い』『こっちくるな』
こんなに嫌われるなら、僕は泡になりたい。
ずっと、夢を見ていたいんだ。
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