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ユキツネの回想にしおりをはさみました!
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ユキツネの回想
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それから私は頑張った。
とにかく頑張ったのだ。
あいつが熱を出していたから薬を飲ませたりもしたし、服を着替えさせたりした。
……いやいや、流石に裸にひんむく度胸はなかったから……いや、私は紳士だからな。
灯りを暗くしてちゃんと見えないようにした。
今思うと、馬鹿なことだが。
起きたあいつは、心配したほど取り乱さなかったがそれは状況が理解出来ていなかっただけのようだった。
「ここはどこなんですか!? えぇぇぇぇぇっと、神社までどれくらいですか!?」
泣きそうな顔でそうわたわたするその子を、椿はいい人ぶってなだめていた。
挑発するように見られて、「帰さない」とかそういう主旨のことを言った気がする。
私が肩を掴むと、そいつは体を強ばらせていた。
……やっぱり怖いか。
別れ際、そいつは私のことをユキツネと呼んだ。
椿がこちらを伺ってくるが、そのくらいで怒るような私ではない。
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