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学祭と指名にしおりをはさみました!
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学祭と指名
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結局、俺の中で氷室に告白するという決心はつかず昼休みは終わってしまった。
実邦と軽口を叩きながら教室に戻ったところで、授業が始まるチャイムが鳴った。
月曜日の5限の授業内容はHR。
いつもはアンケートやら今月の目標やらを書かされている。
が、教室に入ってきた担任がプリント類を何も持っていなかったから今日は違うらしい。
「えー、今日は1ヶ月半後に迫った学園祭について話し合ってもらう」
担任が放った言葉で、俺はそう言えば、と数日前に友人と話した内容を思い出した。
先週のこの時間に、1回目のクラスでの話し合いが行われたらしい。
らしい、というのも、先週は昼休みが終わる直前、俺は氷室を探しに学校を飛び出してしまったからそもそもその話し合いに参加していない、そして当然氷室も。
だから友人つてにその話し合いが行われた事を聞いてはいた。
そして学園祭実行委員と、少し揉めたがクラスの出し物が決まったことも。
確か俺たちのクラスの出し物は……
「先週の話し合いでうちのクラスは“コスプレ喫茶”をやることに決まりました」
……そう、コスプレ喫茶。
去年も同じような事をやった気がするが……。
うん、よく覚えてる。
だって氷室がメイド姿で接客してたから。
その姿を思い出しひとりドキドキと胸を高鳴らせている間に、実行委員の2人が担任から進行を引き継ぎ、黒板に何やら書き始めていた。
「今日は前半で役割分担、後半で役割ごとにわかれて諸々話し合いしてもらいまーす」
役割は大まかに分けてふたつ、調理組と接客組だ。
まず手始めに自分はどちらがいいか希望をとったところ、ほとんどの人が調理組に手を挙げた。
まぁ当然だろう、接客組ということは、当日コスプレをしなければならないということだから。
じゃあそもそもクラスの出し物をコスプレ喫茶にしなければよかったのでは思わなくもないが、その場にいたわけではないから何とも言えない。
実行委員の2人がやっぱりねといった感じで困ったように笑っていたところで、「あのー」とひとりの女子が手を挙げた。
「何人かの女子で話してたんですけどー、うちのクラス、奇跡的に男子はイケメンそろってるからさ、その人たちは確実に接客組に行った方がいいんじゃないかなーって思うんですけど」
「その方が集客もできるしー」
「この顔面宝具使わんわけにはいかんでしょ!」
わいわい騒ぎ始めた女子たちに、実行委員(女子)が「ちなみに誰?」と聞いたところ、最初に手を挙げた女子がくるりと俺の方を振り向いて指さしてきた。
「まずは和正くんでしょー?」
「えっ」
次に違う方を向き指さす。
「んで、九城くん」
「……は?」
「八嶋くん」
「…………」
「仁くん」
「はーい!」
「三月くん」
「…あ、おれ?」
「そんでー……」
女子はにっと笑い、女子の隣りの席の氷室の方を向いて、氷室の手を握った。
「氷室くん!」
「…………へっ!?」
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