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印象と感情にしおりをはさみました!
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印象と感情
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あれから、俺と大泉くんは教室でもよく話すようになった。
珍しい組み合わせに、他の人は最初は不思議そうにしていたが今じゃそんなこともなく、逆に俺と会話する人が増えた。
多分、大泉くんが話してるからだと思うけど。
そんな、ある日の昼休みのことだ。
俺は自動販売機でジュースを買おうと思い廊下を歩いていた。
廊下の曲がり角を曲がった時、誰かにぶつかってしまって、俺はバランスを崩し後ろに倒れてしまった。
「ったた…」
「悪い、大丈夫か?」
「あ、大丈夫です、すみませ……ん!?」
顔をあげるとそこには、超有名な不良で、しかも同じクラスの九城実邦さんが立っていて。
うわぁぁああどうしよう!
ぶつかっちゃった!
殺される!?
「おい」
「は、はい!?」
「だ、大丈夫か?ケガでもしたか?」
「い、いえ!してません大丈夫ですすみません!」
「なら、いいけど。ん」
「え…?」
差し出された手。
これは、一体…?
「ほら、掴めよ」
「あ、はい!」
俺は咄嗟に彼の手を掴んだ。
すると彼は俺を軽々と引き上げ、立たせてくれた。
あれ、すごく、優しい…。
「悪かったな」
「あ、いえ、こちらこそすいません」
「………お前、同じクラスの奴だろ?確か………田中?」
「ひ、氷室です…」
「あ、そっか、氷室か。で、なんで敬語?」
「あ、や、何となく……」
「ははっ、なんだそれ」
わ、笑った!
なんだ、すごくいい人じゃないか!
「同級生なんだし、タメ口でいいよ」
「あ…うん!」
彼の印象ががらりと変わった。
何となくだけど…彼とも仲良くやっていけそう。
九城くんと別れたところで、気をとりなおして自販機コーナーに向かう。
「氷室!」
「大泉くん、どうしたの?」
俺に駆け寄ってくる彼は、そんな姿も爽やかで眩しい。
「俺も飲み物買おうと思って、追いかけてきたんだ」
「あ、そう、なんだ…」
あぁ、なんか、嬉しいなぁ。
俺なんかと仲良くしてくれて、本当に優しいよな、大泉くんは。
でも最近、思うことがある。
俺なんかが本当に、太陽みたいな彼の隣にいてもいいのだろうか、と。
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